葉物野菜の高値収まる 生育順調、レタスは前年比2割安
昨秋から続いた葉物野菜の高値が一段落した。東京・大田市場のレタスの卸値は年初の5分の1に下がり、1年前に比べて2割安い。キャベツやハクサイも前年並みに戻った。2月下旬以降に天候が回復し、生育が順調に進んだ。店頭価格もようやく下がり始めており、消費者には恩恵となりそうだ。

大田市場のレタスの卸値(相対取引・中値)は3月第2週(9~15日)時点で10キロ1447円。前年同期に比べて2割、前週比では4割安い。JA静岡経済連によると「気温上昇と適度な降雨で大きいサイズが増えている」。1日の平均入荷量は1年前より4割多い。

キャベツも10キロ1188円と前週比で4割、ハクサイは同2割安く、いずれも前年並みだ。東京・大田の青果卸は「気温の上昇で生育が一気に進み、鍋物向けの需要も落ち着いた」と話す。
大阪市中央卸売市場でもレタスが3月第2週時点で10キロ1728円と前年の同期比で1割安い。ハクサイも1割安く、キャベツは前年並みに戻った。
東京都内のスーパーにはレタスが1玉160円前後で並ぶ。ほぼ前年並みの価格だ。中堅スーパーのいなげやによると「今冬でレタスが最も高かった1月上中旬に比べれば6割安い」。キャベツは2分の1サイズが160円前後、ハクサイは4分の1サイズで200円前後。前年比では3割高いが、それぞれ最も高かった時期を1~3割下回る。関西のスーパーでも、レタスは1玉160円程度と前年並みに落ち着いた。
野菜の価格は2017年秋の台風や長雨、その後の低温や降雪で高値が続いていた。カット野菜製造業者の旭物産(水戸市)は数量不足に対応するため、2~3月にかけてキャベツやレタスを緊急に輸入した。平成に入ってから初の輸入対応だったが、天候回復で国産品の出回りが増え、「レタスは3月初旬ごろで輸入品を使うのをやめた」(林正二社長)。キャベツも4月から全量国産に戻す予定だという。
農林水産省が22日発表した食品価格動向調査(12~14日、全国平均)によると、対象の野菜5品目全ての小売価格が前週に比べ下落した。下落幅が最も大きいのはレタスで、1キロ540円と29%安くなった。キャベツも同335円と22%下落した。
関連企業・業界