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ピーチ・バニラ統合発表 「LCC生き残りへ選択」

格安航空会社(LCC)国内2位のピーチ・アビエーションと同3位のバニラ・エアは22日、2019年度末をめどに統合すると発表した。売上高は単純合算で760億円規模となり、同首位のジェットスター・ジャパンを抜く。ブランドはピーチに一本化する。統合で経営基盤を固め、国内でのシェア向上や東南アジアなど中距離のLCC路線就航を目指す。

ピーチはANAホールディングス(HD)の連結子会社で、バニラは完全子会社。22日に開いた記者会見でピーチの井上慎一最高経営責任者(CEO)は「海外のLCCなどとの激しい競争に生き残るための選択だ」と語った。

ANAHDの片野坂真哉社長は「もともと(統合は)検討してきた。両社の業績が良く、訪日需要が増加し地方創生の機運が高まっているのが今だ」と話した。統合に向けてはバニラの事業をピーチに譲渡することを検討しているが、詳細は今後詰める。ANAHDは113億円を投じ、4月にピーチの出資比率を約10ポイント増の77.9%に引き上げることも発表した。

国内線と国際線を合わせて50路線以上を持つことになり、20年度の売上高は17年3月期の単純合算と比べて2倍程度の1500億円、営業利益で150億円規模を目指す。

日本では12年がLCC元年といわれ、割安な運賃の国内線が多数就航したが、LCCのシェアはまだ1割程度といわれている。ピーチとバニラが整備士やパイロットの運用や路線網の組み合わせの効率を上げることでシェア向上を狙う。

ピーチは関西国際空港、バニラは成田国際空港を拠点としている。両社が統合しても重複する路線は3路線だけと少なく、統合で成田の拠点も堅持できる。大阪を拠点とするピーチは一部の本社機能を首都圏にも置くことを検討する。

ピーチに統合することについて、バニラの五島勝也社長は「前向きに捉えている。首都圏のネットワークと顧客基盤を生かしたい」と語った。国内線や国際線の路線数や認知度からブランドを含めてピーチへ統合することを決めた。

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて海外のLCCが日本への路線を就航してくることが見込まれる。競争が厳しくなる中、ピーチの井上CEOは「首都圏の機能を拡充できる。訪日客を日本に呼び、さらに地方都市へ誘客したい」と語った。

ANAHDはLCC事業で20年をめどに片道7~9時間以内の中距離路線の就航を検討している。片野坂真哉社長は「国内路線の新規需要開拓や中距離LCC就航をスピード感を持って実現することが将来の成長に重要だ」と語った。

もっとも東南アジア市場は日本に比べてLCCのシェアが高く、規模で勝るジェットスターグループやエアアジアグループなどの競合は多い。まずは訪日外国人客の増加などを追い風に、ピーチとバニラの統合を軌道に乗せられるかが問われる。(志賀優一)

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