未来面「世界を変えよう。 」

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尾堂真一・日本特殊陶業会長兼社長の講評

2018/3/26 2:00
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「持続可能な社会には何が必要ですか」という問い掛けに読者の皆さんから多くの投稿をいただき、ありがとうございました。「持続可能な社会」が必要なことは誰もが分かっていますが、幅広いテーマだけに明確な答えが見いだしにくい中、そこに向き合って下さったことに改めて感謝申し上げます。

メーカーの経営者である私にとっての「持続可能な社会」のキーワードは「限られた資源をどう活用するかだ」と考えています。単にものづくりをしているだけではもはや市民社会の理解を得られなくなってきています。シェアリングや分配という考え方が個人や地域だけでなくグローバルで広がらないと意味をなさない時代です。売上高の8割超を海外事業で占める我が社では意識していかないといけないことです。

投稿の中で私の気持ちに近かったのが「売るからシェアへ」です。「優れた技術の普及」という言葉は理念、精神的な考えとして腑(ふ)に落ちました。

「製品から原料を生み出す」も大変参考になりました。人類はエネルギーの大半を化石資源から作り出してきました。将来世代の先取りをしてきた部分もあります。いいとこ取りなどできるはずはありません。そろそろ発想の転換をすべきときです。我が社ではセンサー部品の一部を再利用し、可能な限り資源の活用に努めています。コスト面で難しいものもありますが、そこは技術革新で解決する努力を怠ってはいけません。そうした中で水素社会は理にかなっていると思います。

「動物や植物を形づくる素材活用」も興味深いです。生き物に無駄などありません。これをもっと加速させる必要はありますね。

我が社は、皆さんとともに地球規模の危機感を共有しながら、この課題に取り組んでいきたいと思います。

◇――――――――◇

著名な経済学者だった宇沢弘文氏は「自動車の社会的費用」(1974)を発表し、公害問題など自動車がもたらす負の部分も考慮して自動車社会を議論すべきだと主張し話題となりました。

日本の産業界をリードする自動車業界はこの重いテーマを座視せず、解決に向けて技術革新に取り組み、ライフスタイルの提案をし続けました。その延長線上にあるのが「持続可能な社会」への挑戦だと思います。(編集委員 田中陽)

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