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流出NEM、財団が追跡停止 6割超が他通貨に

コインチェック事件

仮想通貨交換会社コインチェックから約580億円分のNEM(ネム)が流出した事件で、NEMの普及を図る国際団体「NEM財団」は20日、NEMの追跡を停止したと発表した。流出NEMはすでに350億円程度が他の仮想通貨に交換されており、これ以上の追跡効果は薄いと判断したとみられる。

財団は流出が発覚した1月26日以降、特定のNEMに「モザイク」と呼ばれる目印をつける機能を使って流出NEMの追跡を続けていたが、3月18日にモザイクを外したという。財団は「法執行機関に実用的な情報を提供できた」とするが、追跡停止の詳しい理由は明らかにしていない。

財団は流出NEMの入金があった場合、取引に応じないよう世界各国の交換会社に協力を要請。しかし、犯人側が匿名性の高い「ダーク(闇)ウェブ」のサイトを介しビットコインなど他の仮想通貨を交換したり、モザイクを外す手口が開発されたりしている。情報セキュリティー会社エルプラスの杉浦隆幸社長によると、流出NEMの6割超が既に他の仮想通貨に交換されたという。

ただ、モザイクにより流出NEMを保管する口座が分かっても、取り戻すことは極めて難しい。その口座の持ち主が誰なのか分からないためだ。海外では口座の開設に本人確認が要らない交換会社も多いという。

今では事件とは無関係な多くの口座に流出NEMが分散している。「モザイクがついたNEMを持っていると犯人に間違われるといった不都合も目立ってきた」(ブロックチェーン大学校のジョナサン・アンダーウッド代表)。このため財団はこれ以上の追跡を断念したとみられる。

事件の捜査にあたる警視庁は約100人体制で流出の経緯などを調べている。流出に関与した人物がコインチェックの社内システムにアクセスしてNEMの移動に必要な「秘密鍵」を盗んだとみられるが、不正アクセスとされる発信元の特定には至っていない。

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