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男子マラソンに復活の兆し 2年後のメダルは?
編集委員 北川和徳

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2018/3/21 6:30
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低迷していた日本の男子マラソン界に2017~18年シーズン、明るい兆しが見えてきた。2月下旬の東京マラソンで設楽悠太(26、ホンダ)が2時間6分11秒と快走し、16年ぶりに日本記録を更新。井上大仁(25、MHPS)も日本歴代4位の2時間6分54秒で続いた。17年12月の福岡国際では大迫傑(26、ナイキ・オレゴンプロジェクト)が2時間7分19秒をマークしている。昨年夏からスタートした20年東京五輪の代表選考に直結する「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」シリーズの効果が初年度からさっそく現れたともいえそうだ。2年後の東京で28年ぶりとなる五輪のメダル獲得へと順調にステップアップしていけるだろうか。

16年ぶりの快挙を機に過去の歴史を振り返ってみた。日本の男子マラソンの記録が時間が止まったかのように停滞していたことにあらためて驚かされる。

今世紀に入って世界のマラソンは東アフリカ勢の台頭によって急激に高速化が進んだ。世界記録は2時間5分42秒からデニス・キメット(ケニア)の2時間2分57秒までレベルアップ。すでに世界では2時間5分以下で走ったランナーがケニア、エチオピアに集中して約40人も登場している。

一方、日本勢は00年の福岡国際で藤田敦史(当時富士通)が2時間6分51秒の日本記録を樹立。02年10月にはシカゴで現在カネボウ監督の高岡寿成が2時間6分16秒をマークした。しかし、これを最後に記録の伸びはストップ。日本人ランナーによる2時間6分台すら記録されていなかった。

記録更新の背景に高速コースあり

設楽悠は2時間6分11秒で快走した

設楽悠は2時間6分11秒で快走した

18年の東京では設楽悠と井上が一気に6分台に突入した。これまでの停滞ぶりを考えれば信じられないほどの好記録だ。その理由を考えるとき、そのレースが東京マラソンだったというのは見逃せないポイントになる。

東京のコースは前回大会から大きく変わった。ゴールが臨海部の施設から東京駅前に変更。終盤のアップダウンがなくなり、東京都庁前をスタートして序盤に下った後は、ゴールまでほぼ平たんで風の影響も受けにくい高速コースとなった。

主催者側も有力ランナーを招待して優秀なペースメーカーを用意するなど、世界記録樹立を狙った運営をしている。この結果、17年大会はウィルソン・キプサング(ケニア)が日本国内のレースで初めて2時間3分台をマークして優勝した。

今回は連覇を目指したキプサングが体調不良でレースペースが想定通り上がらなかったことも、結果的に日本選手の好記録を助ける形になった。17年のキプサングは最初の5キロを14分15秒で入り、以後も先頭集団は30キロまでの各5キロを14分30秒から40秒前後の国内レースでは過去に例がない高速ラップを刻んだ。設楽悠、井上は昨年も出場していたが、とてもついていけなかった。

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設楽悠は2時間6分11秒で快走した

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