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減税効果と金利上昇効果(十字路)

2018/3/20 11:30
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設備投資が増えるためには、消費需要の拡大が必要だ。法人税率の引き下げだけでは、投資誘因にはならない。従って、今回の米国の減税で重要なのは、家計向け減税の消費刺激効果である。

10年間で総額1.45兆ドルの減税の内訳は、1.1兆ドルが家計向けで、0.35兆ドルが企業向けである。家計向けは8年間の限定なので、年平均1400億ドル弱、消費の1%強だ。法人減税だけが喧伝(けんでん)されるなかで、家計を無視できなくなってきている現実がある。

失業率の低下に見られる完全雇用下でのこの減税を、景気の過熱とインフレの加速とみて、市場は金融政策の引き締めと市場金利の上昇に結びつける。消費が一段と盛り上がり、設備投資の増加に結びつく、という見方からだ。

問題は、米国景気の上昇期間が9年目という長期にわたっていることだ。しかも、この上昇は金融緩和でもたらされ、債務が異常に積み上がっている。FED(連邦準備制度)の利上げも、緩やかとはいえ2年以上続いている。クレジット・カードや自動車、住宅などローンの金利が上昇し、不良債権化も目立ち始めている。金利上昇が進めば、デフォルトは一段と増えてくる。減税効果がこの金利上昇効果を打ち消すほど大きいとは考えられない。

それでも、財政赤字は一段と拡大し、景気の大きな減速がなければ、貿易赤字も縮小せず、双子の赤字がドルに対する信認を揺るがし続けるだろう。実際、大統領選後の短いトランプ・ラリー後の16年12月末以来、ドル指数は低下し続けている。金利上昇の下で、である。

こういったなかでは、FEDは景気減速の下でも金融の正常化を推し進めて行かざるを得ない。長年にわたってマネーを拡大し過ぎたコストなのである。

(中前国際経済研究所代表 中前忠)

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