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幻の慰霊碑、原爆も表現 「爆風キノコに似せた」

世界的彫刻家イサム・ノグチ氏(1904~88年)が51~52年ごろに設計し、実現しなかった広島平和記念公園(広島市)の慰霊碑案について「爆風キノコにも漠然と似せた」と記した未発表資料があることが18日、分かった。米ニューヨークのイサム・ノグチ財団が所蔵していた。

家形埴輪(はにわ)の屋根から着想したことは明らかにしていたが、原爆を暗示していた可能性を示す資料が見つかるのは初めて。越前俊也同志社大教授(美術史)は「原爆に関する表現が厳しく抑制されていた当時の日本において、極めて挑戦的。原爆を想起させることで、警告的な意味を込めたのでは」と指摘する。

未発表資料は「ボーリンゲン・リポート・アンパブリッシュト・バージョン」。ノグチ氏が49年から日本など各国を調査旅行した際の報告書。

それによると、建築家の丹下健三氏からデザインを頼まれ、模型を作製。その際「埴輪の放物線状の形に基礎を置きながら、われわれに全てを思い起こさせる爆風キノコに漠然と似せるようにも作った」と記していた。

越前教授によると、爆風キノコは、きのこ雲ではなく、原爆が爆発し始めた瞬間のドーム形状を指すとみられるという。

後に公表された模型写真などから、計画された慰霊碑は黒御影石でできた太いアーチ形地上部と、犠牲者名簿を置く地下室などからなることが知られている。

ノグチ氏案は広島市に提出されたが、52年に不採択となり、丹下氏が設計し直した薄いアーチ形の現在の慰霊碑が建てられた。ノグチ氏が原爆を投下した米国の生まれだったことが不採択の原因とも言われている。〔共同〕

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