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「平昌の経験を東京に」 現地調査で学んだこと

2018/3/17 11:00
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 【平昌=西城彰子】平昌パラリンピックの会場や周辺の駅などで、日本の大学生が「現地調査」に取り組んだ。障害者スポーツの祭典が開かれる地域の先進的な取り組みや課題を探し、2020年の東京開催に生かすのが目的だ。学生らは「平昌の経験を東京につなげたい」と意気込む。

アイスホッケー会場で車いすの観客に話を聞く上智大生(江陵)=西城彰子撮影

 「会場内での移動のしやすさはどうですか?」。アイスホッケー会場などがある江陵オリンピックパークで10日、観戦に来た車いすの男性に上智大学1年の神野帆夏さん(19)が話しかけた。「会場内に地図が少ない。車いすなので一度道を間違うと戻るのが大変」。男性のコメントにうなずきながらメモを取った。

 聞き取りを行うのは同大学が派遣した教職員や学生ら7人の調査団。東京五輪・パラリンピックに関する教育や研究を充実させ、開催を支援する同大学の「ソフィア オリンピック・パラリンピック プロジェクト」の一環で、7日から11日まで韓国に滞在した。

 競技会場で観客らにインタビューしたほか、障害者スポーツ団体や大学を訪ね、障害者を取り巻く状況やスポーツ振興などについて話を聞いた。

 ソウル市内では実際に車いすに乗って地下鉄の施設内を移動し、バリアフリーの度合いを調べる調査も実施。神野さんは「不便な部分があっても、周囲の人がためらいなく声を掛けてくれて助かった。東京大会に向けてハード面を『人の力』でカバーする土壌づくりは欠かせない」と話す。

 ボランティアとして参加した現地の学生らからは「以前は『見て見ぬふり』をすることもあったが、事前の研修を受け、自信を持って障害者を手助けできるようになった」と聞いた。3年の山本華菜子さん(21)は「接し方を学ぶことで、気後れがなくなる。教育も大切な要素」と気付いたという。

 現地の大学では障害のある学生のサポートを申し出た学生に奨学金を与える制度などについて説明を受けた。調査団の一員で韓国からの留学生、金美進さんは「サポートが自分の利益に直結する仕組みに、当初は悪いイメージを持っていた」。利用した学生から「制度をきっかけに接することで理解が深まった」という声を聞くうちに「障害者と関わるハードルを下げる有効な手段では」と感じたという。

 調査内容は今月30日、東京都千代田区の同大学で行われる報告会で発表する予定。団長を務めた島健教授は「東京パラリンピックを成功させるためには、若者にもっと興味を持ってもらう必要がある」と話し、「同世代が訴えるからこそ説得力も増す。調査団はリーダーとして発信し、『東京』につなげてほしい」と期待している。

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