2019年4月20日(土)

バイアウト検討の元CEO、クアルコム取締役に再任せず

2018/3/17 8:02
保存
共有
印刷
その他

【シリコンバレー=佐藤浩実】米クアルコムは16日、創業者の息子で元最高経営責任者(CEO)のポール・ジェイコブス氏(55)を取締役に再任しないと発表した。ジェイコブス氏がクアルコムの買収(バイアウト)を検討していると役員会に伝え、23日に開く株主総会に諮る取締役候補者から外す結論に至ったという。

シンガポールの通信用半導体大手ブロードコムによる敵対的買収を退けたクアルコムの経営は新たな展開を迎える。

ポール・ジェイコブス氏はクアルコムの創業者で、同社を携帯通信半導体の一大メーカーに育てたアーウィン・ジェイコブス氏の息子。2005~14年にCEO、18年3月上旬まで会長を務めていた。ファクトセットによると同氏のクアルコム株の保有比率は約0.1%。同社の時価総額は16日時点で897億ドル(約9兆5000億円)。

ジェイコブス氏は株式を非公開化することで、敵対的買収のリスクを減らし、研究開発など長期投資しやすい企業体をつくりたいもようだ。ただバイアウトの実行には巨額の費用が必要。欧米メディアの報道によれば、同氏は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」など複数のファンドに協力を打診しているという。

クアルコムは「ジェイコブス氏が実際に(買収を)提案する保証はないが、(買収提案があった場合は)取締役会は株主に対する信認義務に従い(金額などを)評価する」との声明を出した。

クアルコムはブロードコムから1170億ドルの敵対的買収を仕掛けられていたが、米政府が「安全保障上の懸念がある」として買収を禁止した経緯がある。ブロードコムは14日に正式に買収断念を表明した。

米ブルームバーグ通信によれば、クアルコムの発表を受けてジェイコブス氏は「取締役会に提案を評価する意思があることをうれしく思う」と表明。そのうえで「彼らが私を取締役会から外そうとしているのは残念だし、失望している」とコメントしたという。

クアルコムは当初6日に株主総会を予定していたが、米政府機関の要請で4月5日に延期し、その後、3月23日に再度変更した。

春割実施中!無料期間中の解約OK!
日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報