体験がキーワードに 福岡で「Bダッシュキャンプ」

2018/3/16 19:51
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ベンチャーキャピタル(VC)のBダッシュベンチャーズ(東京・港)が主催する「Bダッシュキャンプ」が15~16日、福岡市で開かれた。スタートアップが事業内容を説明するピッチアリーナ(プレゼン大会)では、患者の薬歴を簡単に管理できるサービスを開発するカケハシ(東京・新宿)が優勝した。

優勝したカケハシの中尾豊社長=16日、福岡市

■薬歴管理のカケハシ優勝

「薬局での体験を変える」。優勝したカケハシの中尾豊社長は、自身の事業をこう説明した。カケハシが提供するサービス「Musubi(むすび)」は、薬局に訪れる患者への薬剤師側の接客を簡略化、投薬履歴を管理する。

薬局では、薬剤師が患者に薬を渡す際に服用時間帯や方法について説明する必要がある。その際に話した内容の記録が求められている。「薬歴の記入業務が大変で、タイピングが苦手な人は40人の薬歴に1日2時間かかっている人もいる」(中尾社長)。むすびを使えばそれが15分に短縮できると中尾社長は話す。

その仕組みはタブレットのような専用端末を活用する点だ。画面に表示された薬の説明を患者と読み上げる。説明を読み終えた薬にチェックをつけると自動で薬歴が記録される。中尾社長は「初期費用が100万円程度。既存の薬品管理システムは400万~500万円なので更新の際に積極的に導入してくれている」と話す。すでに70店程度が導入しているという。

■UI・UXに話題集まる

他のセッションでも「体験」の重要性が叫ばれた。フィンテックをテーマにしたセッションでは、サービスの見た目を指す「UI」や、デザインやわかりやすさを指す「UX」が話題になった。UIは「ユーザーインターフェース」、UXは「ユーザーエクスペリエンス」の略だ。

フィンテックの事業を推し進めるには、規制当局との折衝が重要だ。メルカリ(東京・港)からスピンアウトした決済の「メルペイ」の青柳直樹代表取締役は「金融庁などルールを作っている人も運用している人も、UIやUXを見せて説明すると話がさくっと行く」と実感すると話す。「UIやUX領域の人材が取り合いになるというのが今後の流れだろう」と予測した。

非金融業界からフィンテックに参入した中古品換金サービス「CASH」を運営するバンク(東京・渋谷)の光本勇介最高経営責任者(CEO)は、CASHのサービスの活用が広がったのは「金融のど素人が、金融のど素人のためにサービスを作っているというのが需要と共感を生んでいるのでは」と分析する。

これまで小口資金を集めようとしてもなかなか方法がなかった。そのなかで生まれたサービスにユーザーが集まったと振り返った。

(企業報道部 矢野摂士)

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