2019年5月27日(月)

ネット売買の中古品、「偽物」だったら?

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2018/3/18 18:30
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――偽ブランド品だと分かった場合、売り手から返金してもらえるのでしょうか。

「ネット通販で事業者から購入した場合、一定のキャンセル期間を設けた『クーリングオフ』は適用されない。しかし事業者側は今後のネット上の『評価』を気にして返品に対応するケースは多々ある」

「だが、事業者が意図的に偽ブランド品を大量に扱っていた場合は、商標法違反などから処罰の対象になる可能性が高い。これはネットに限らず、どこかの軒先や露天商で売買している店も同じだ」

――個人間での取引ではどうですか。

「事業としてやっていない個人は、商標法などは適用されない。詐欺罪や契約不履行などを根拠に解除要求はできる。中古品によくある『ノークレーム・ノーリターン(苦情・返品は受け付けない)特約』を明記する出品者が増えているが、全ての案件で成立するわけではない。的確な情報を伝えていなかった場合などは無効となる。もちろん偽ブランドの場合も同様だ」

――それでも返金に応じてもらえない場合は。

「出品者が『偽物』と認めない場合は、裁判を起こすしかない。詐欺罪などで訴える場合、刑事訴訟と民事訴訟の両方が考えられる。刑事訴訟の場合は警察に被害届を出すことになる。捜査の主導権は警察が持つため、すぐに業者に事情聴取するかは分からない。民事訴訟なら自分のペースで裁判ができる」

「ただ、裁判に勝ったとしても割に合うかは難しいところだ。仮に10万円で購入した偽ブランドバッグの返金を求めて訴えたとすると、弁護士を雇う費用など裁判費用は平均で30万円以上になる。期間も半年以上かかる。訴えを起こした当事者側が偽物であることを証明しなければならない。警察も大量の被害件数や何百万円という被害額が出ていないと動きにくい。『偽物』と知りつつ販売したのかという詐欺罪の立証には時間と労力がかかるためだ」

――偽ブランド品を購入しないための注意点は。

「これは法律論ではないが、取引履歴など出品者情報の確認をすべきだ。何度も出品実績があれば、最低限の安心材料となる。一方で個人の販売サイトの商品は判断は難しく、購入は自己責任とも言える。ネットに限らず、中古の安い商品の購入はリスクを伴う」

――そもそも中古品売買は、著作権などを侵害していないのですか。

「知的財産権を守る著作権法や商標法などの条文には中古品売買に関する規制は設けられていない。ただし、営利目的でリユース品を扱う事業者は古物営業法に基づいて許可を得なければならない。盗難品の売買を防ぐためで、市場に流れてしまった場合でも発見できるよう、売り主の本人確認を必須としたり、買い取り場所を限定したりと細かい規定を設けている」

――海外で偽ブランド品を土産に買う人がいます。

「偽物だと分かっていて国内に持ち込むのは、関税法違反だ。ただ個人としてなので、刑罰というより見つかっても廃棄して終わりという程度だ。偽ブランド品を売る人は処罰され、基本的に買う人・持つ人の処罰規定は設けられていない。ただし『本物』として転売するなら、個人でも詐欺罪などに問われる可能性はある」

(聞き手は企業報道部 沖永翔也)

[日経産業新聞2018年3月16日付]

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