米トイザラス、米国事業の清算発表

2018/3/15 22:16
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米トイザラスは15日、米国内の全735店を閉鎖し、米国事業を清算すると破産裁判所に届け出たことを発表した。トイザラスはアマゾン・ドット・コムなどネット通販の台頭で業績が低迷し、昨年9月に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。米国事業の買い手を探していたが見つからず、債務再編も難航したため、清算を決断した。

デイブ・ブランドン最高経営責任者(CEO)は「この結果にとても失望しているが、米国事業を続けるだけの金融的な援助をこれ以上得ることができない」とコメントした。一方で「海外ビジネスは彼らで選択肢を検討している」としており、日本を含め海外部門の行方はまだ不透明だ。

日本トイザらス(川崎市)が運営する「トイザらス」「ベビーザらス」は約160店舗(併設店を含む)あり、米国本社破綻以降も平常営業している。今回の報道について日本トイザらスの広報担当者は「米国と日本は別法人で、日本の店舗はこれまで通り営業していく」と話す。日本トイザらスとして金融機関とコミットメントラインを設定しており、資金繰りに問題が起きる可能性もないという。

ただ、日本トイザらスの現在の株主は特別目的会社のLLC1とLLC2の2社だが、これらは香港に本社を置くトイザらス・アジア・リミテッドの傘下にある。そして米本社はアジア・リミテッドに85%出資している。日本トイザらスの経営の支配権はやはり米本社にある。

米本社が清算の過程で日本事業を別企業に売却する事態も考えられる。

米トイザラスが茨城県阿見町に1号店を開いたのは1991年。新規出店を厳しく制限する大規模小売店舗法(大店法)を揺さぶりながらの進出で米政府が市場開放を求めた日米構造協議の象徴として注目を集めた。

日本トイザらスは巨大な売り場面積による大量・割安販売で店舗網を100店以上に広げ、2000年には店頭市場への株式上場を果たす。

風向きが変わったのは2000年代後半だ。家電量販店による玩具販売に加えネット通販が台頭し、日本トイザらスの販売が低迷し始める。てこ入れのため、米本社は09年にTOB(株式公開買い付け)による日本トイザらスの非公開化を決断。このTOBの際に米本社が受け皿として設立した特別目的会社が前述のLLC1.2だ。日本トイザらスは小型店舗の積極出店などで、業績を現状は維持しているもよう。

小売業界では「米国で起きたことは数年後に日本でも起きる」とよくいわれるが、トイザラスに関していえば、結果として日本市場のほうがリストラで先行していた。アマゾンがあらゆる企業・産業をのみ込むことを意味する「アマゾン・エフェクト」への耐性は、米本社より日本トイザらスのほうがあるのかもしれない。(ニューヨーク=平野麻理子、石塚史人)

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