2019年1月19日(土)

120兆のビッグデータ駆使 米西海岸から逆上陸
トレジャーデータ・芳川裕誠社長

コラム(ビジネス)
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2018/3/20 8:56
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米シリコンバレー発のビッグデータ分析専業、トレジャーデータ。120兆件ものデータを駆使して顧客が使いやすいサービスを提供する「ビッグデータの何でも屋」を立ち上げたのが、芳川裕誠・最高経営責任者(CEO、39)だ。起業の本場の投資家たちを口説き落とし、仲間2人と創業。日本にも「逆上陸」を果たし次々と大企業を顧客に取り込んでいる。

2001年早稲田大学文学部在学中から米レッドハットに勤務。大手企業を相手にリナックスの講師役を務める。07年三井物産に入社。09年に投資担当として米シリコンバレーに。11年トレジャーデータを設立。13年日本で営業チームを発足。米国からの「逆上陸」を果たす。

■「OS屋」の人生変えた衝撃

トレジャーデータの芳川裕誠社長は米シリコンバレーの投資家から支持を得て起業した

トレジャーデータの芳川裕誠社長は米シリコンバレーの投資家から支持を得て起業した

日米を中心に300社以上の顧客を持ち、毎秒150万件の高速でデータを「爆蓄」するトレジャーデータ。消費者の行動ログなど膨大なデータをマーケティングや広告のツールに作り替える。原点はシリコンバレーで出合った米企業だった。

芳川氏は2009年、三井物産の投資担当としてシリコンバレーに駐在した。当時はリーマン・ショックのまっただ中。起業の聖地でさえイノベーションの動きが止まったかに見えたが、芳川氏はある技術に注目した。ハドゥープというデータの分散処理ソフトだ。

ハドゥープは誰でも使えるオープンソース。そこにヒットの予感があった。

芳川氏は早稲田大学在学中からソフト開発の米レッドハットに入社し、やはりオープン型のOS「リナックス」の成長を経験してきた。文系ながら高校生の頃から趣味でコンピューターを学び続けていた芳川氏は「僕はOS屋」と話す。オープンソースの成長力と目前に迫るデータ社会の到来。そのかけ算にビジネスチャンスを見た。

「おおげさじゃなく産業史の中ですごい出来事に直面していると思いました。まさに僕の人生を変える衝撃でした」

そのハドゥープを顧客が使いやすいようパッケージ化していたのが現地のクラウデラというスタートアップ企業だった。

だが難解な技術とビジネスモデルが本社には理解してもらえない。「この会社に投資できないで、なんで俺はシリコンバレーにいるんだ」。そんな疑念が、やがて起業への思いに変わっていく。

出会いは直後に訪れた。本社が認めないならクラウデラの技術を日本に売り込もうと、同社の共同創業者を連れて東京で体験イベントを開いた。そのサポート役を買って出たのが、人工知能(AI)開発のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)の前身企業で当時CTO(最高技術責任者)だった太田一樹氏(32)だ。

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