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デジタル通貨 そろり前進、主導権争い足並み乱れ

2018/3/15 21:00
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個人がインターネットやお店で支払いに使える「デジタル通貨」の発行へメガバンクが動き出した。みずほフィナンシャルグループ(FG)は4月から福島県内で実験を始める。一方、全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJFG社長)は15日、共通規格を作る足がかりとして、3メガが連携する方向を打ち出した。遅れているキャッシュレス化を加速させる起爆剤となり得るが、曲折も予想される。

みずほFGの佐藤康博社長は15日午前、福島市内で記者会見し、「3メガバンクがQRコードで統一できるか地銀は懸念していたが同じ方向でやっていける」と述べた。

一方、全銀協会長として最後の記者会見に臨んだ三菱UFJの平野社長は「QRコードが有効で3メガバンクで連携して検討していく」と応じた。三菱UFJは独自に「MUFGコイン」の発行を検討している。平野氏は3メガにとどまらず「銀行業界としてQRコードを統一するのが望ましい」と述べた。

QRコードそのものはデジタル通貨ではない。しかし、キャッシュレス手段として中国などで普及した実績がある。デジタル通貨を発行する前に、現金を使わず物やサービスを買うインフラとして使えると判断した。

みずほFGは東邦銀行と組み、福島県富岡町周辺の飲食店などでデジタル通貨を使える実験を4月から始める。みずほ銀行か東邦銀の口座を持つ個人が対象。スマートフォン(スマホ)でQRコードを読み込めば、デジタル通貨で即時決済できる。

個人間送金も可能で2020年までの実用化を目指す。日本は決済に占める現金の割合が約6割と他の先進国に比べ高い。現金の輸送や管理にかかる莫大なコストを削減できる。

デジタル通貨はお金を電子化したもの。荒い値動きのビットコインなどと異なり「1コイン=1円」に価値を固定し、決済手段として利便性を高める。有力な決済手段に育つとみた各行がそれぞれ発行し始めたが、「(家庭用VTRの)VHS対ベータのような規格争いが起きる」との懸念が広がっていた。

共通規格作りに動いたのもみずほだった。当初、3メガバンクや地銀、ゆうちょ銀行などが参加する共通規格「Jコイン」を発行する構想を打ち出した。しかし、総論では賛同した他メガも各論に入ると協議は難航。みずほ自身もその後、構想をトーンダウンさせた。

独自規格「MUFGコイン」の開発で先行していた三菱UFJが疑問の声を上げた。QRコードの統一という大きな方針では協力するものの、デジタル通貨そのものを一本化する必要はないとの認識を示した。

デジタル通貨に関する協議会は「いまだ設立に向けて最終的に調整中」(メガバンク)。主導権を握られたくないとの思惑もある。

3メガバンクはそれぞれ、ベンダーと呼ばれる大手システム会社との関係が深い。日本をキャッシュレス後進国へ押しやったのは銀行が顧客を見た経営判断を怠った面もある。お互いのメンツにこだわってばかりいればいつまでも後進国のまま。生みの苦しみに直面している場合ではない。

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