2018年11月13日(火)

米政権、対中強硬派で一色に NEC委員長にクドロー氏

2018/3/15 18:04
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は経済政策の司令塔である国家経済会議(NEC)の委員長に、保守派の経済評論家、ラリー・クドロー氏(70)を指名する。クドロー氏は中国の知的財産権侵害などを問題視し、対中制裁も辞さない考えを表明した。トランプ政権は中国に対して米国の対中貿易赤字を1千億ドル減らすよう求めたもようで、対中強硬色が一段と強まっている。

トランプ氏は15日、ツイッターでクドロー氏をNEC委員長に指名すると表明した。現委員長のコーン氏はトランプ氏が発動を決めた鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に反発し、6日に辞任を表明した。クドロー氏は1980年代のレーガン政権時に米行政管理予算局(OMB)幹部を務めるなど共和党に近い。

クドロー氏は14日、コメンテーターを務める米CNBCテレビでNEC委員長の就任を受諾したと表明した。焦点の通商政策を巡っては、中国の知財侵害などを問題視して「中国は報いを受ける必要がある」と主張。トランプ政権が検討する中国製品への報復関税に賛意を示した。

同氏はもともと自由貿易派とされ、当初は鉄鋼・アルミの輸入制限にも反対していた。ただ、14日には、トランプ氏が輸入制限からカナダなどを除外したことを理由に賛成に転じた。制裁関税をちらつかせて日本に市場開放を迫ったレーガン時代の通商政策を高く評価し、強硬的な経済外交にも理解を示した。

「ロス氏やナバロ氏、ライトハイザー氏とはこれまでも頻繁に議論してきた」。クドロー氏が「親しい」として名前を挙げたのは、商務長官のロス氏と通商製造政策局長のナバロ氏、米通商代表部(USTR)代表のライトハイザー氏だ。

ロス氏はトランプ氏と1990年代初頭から親交があり、大統領選では経済学者のナバロ氏とともに「中国に45%の関税を課す」といった過激公約を立案した。そのナバロ氏は「中国がもたらす死」と題した自作映画を持つほど極端に中国を敵対視。鉄鋼・アルミの輸入制限を主導するなど政権内で復権しつつある。

トランプ氏はティラーソン国務長官を更迭し、外交タカ派のポンペオ米中央情報局(CIA)長官を後任に指名。政権の顔ぶれは対中強硬派で固まった。

米政権の貿易政策はクドロー氏の就任を待たず、対中強硬色を強めている。貿易赤字削減は、習近平(シー・ジンピン)国家主席の側近である劉鶴氏が2月下旬から3月上旬に訪米した際に要請したもようだ。

トランプ氏は600億ドルもの中国製品に追加関税を課す検討に入った。こうした措置は米消費者への事実上の増税となり、米経済にも強い下押し圧力がかかる。

金融市場は米中貿易摩擦を強く憂慮する。14日のダウ工業株30種平均は前日比248ドル安で3日続落。対中輸出の比率が大きいボーイングは、中国からの報復措置が懸念されて下げ幅は2%を超した。中国は海外勢の中で米国債の最大保有国。米中摩擦が先鋭化すれば、債券市場も為替市場も動揺が避けられない。

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