進化するマネーボール

フォローする

源田や坂本勇… データが示す「守備の名手」
野球データアナリスト 岡田友輔

(1/3ページ)
2018/3/18 6:30
保存
共有
印刷
その他

「野球は守りから」という。しかし守備力を客観的に評価するのはなかなか難しい。何しろ打率や防御率のような確固とした指標がない。いきおい、華麗なグラブさばきや強肩が光る選手が「名手」と呼ばれることになる。イメージ先行になりがちな守備の評価で役に立つのがセイバーメトリクスだ。新たな角度から光を当てることで、本当の名手が見えてくる。

最も知られている守備データは失策数だろう。失策が多ければ下手、少なければ上手というのは確かにわかりやすい。だが失策には重大な死角がある。「守備範囲の広さ」という大切な要素が抜け落ちているのだ。

たとえば三遊間の際どい打球に追いつきながらファンブルしてアウトにできなかった遊撃手と、追いつくことさえできず左前打にしてしまった選手。後者に失策はつかないが、前者にはつくかもしれない。これがフェアじゃないのは誰にでもわかるだろう。

「得点価値」という指標

守備の目的は打者をアウトにすることだ。華麗なグラブさばきや強肩はその手段にすぎない。いくら不細工でもアウトにさえすれば守備の目的は果たしている。一方、アウトにできなければ、安打も失策も変わらない――。セイバーメトリクスではこうした前提に立ち、ある選手が同じポジションの平均的な選手に比べて何点分の失点を防いだかを算出する。

代表的なのは「UZR(Ultimate Zone Rating)」や「DRS(Defensive Runs Saved)」といった指標だ。本塁打のような野手が関与できない打球を除く全プレーをデータ化しなければならないので膨大な時間と手間がかかるが、米大リーグではかなり浸透し、ゴールドグラブ賞を選ぶにあたっても参照されるようになっている。

UZRについて大まかに説明すると、距離や方向に応じてフィールドを176ゾーンに分け、どこに、どのような打球(ゴロかライナーか飛球か、打球のスピードなど)が飛び、どのような結果になったかを記録する。アウトにできる確率が100%に近い打球というのは、定位置正面の簡単なゴロなど。50%ぐらいならアウトにすればナイスプレーという難しい当たり。20%以下なら普通は安打、アウトならファインプレーだ。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

17年ドラフト会議

電子版トップスポーツトップ

進化するマネーボール 一覧

フォローする
送りバントは多くの場合、得点期待値も得点確率も下げてしまう=共同共同

 初回、先頭打者が出塁して2番打者。ここで送りバントのサインが出れば、解説者は決まってこう言うだろう。「手堅いですね」。しかし統計からみると、これは正確とはいいがたい。
 まずは2014~18年の日本の …続き (1/14)

MVPを受賞し、笑顔で握手を交わす巨人・坂本勇(左)と西武・森。ともに圧倒的な得票だった=共同共同

 2019年のプロ野球最優秀選手(MVP)はセ・リーグが巨人の坂本勇人内野手、パ・リーグは西武の森友哉捕手が選ばれた。攻守の要としてチームをリーグ優勝に導いた2人の活躍はMVPにふさわしい。しかし、選 …続き (2019/12/1)

日本シリーズ3連覇を果たし、沈黙する巨人ベンチの前で喜ぶソフトバンクナイン=共同共同

 今年のプロ野球日本シリーズはパ・リーグ2位のソフトバンクがセ・リーグ優勝の巨人に4連勝と圧倒した。ON対決以来19年ぶりとなる注目の顔合わせだったが、あらゆる面で力の差は歴然としていた。直近10年の …続き (2019/11/3)

ハイライト・スポーツ

[PR]