2018年4月27日(金)

原発避難、国と東電に賠償命令 京都地裁判決

2018/3/15 10:36 (2018/3/15 11:39更新)
保存
共有
印刷
その他

 東京電力福島第1原発事故の影響で避難を強いられたとして、福島県などから京都府に避難した住民174人が国と東電に慰謝料など約8億4660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は15日、国と東電の責任を認め、110人に対する約1億1千万円の支払いを命じた。全国で約30ある同種の集団訴訟では5件目の判決で、国の責任を認めたのは3件目。

京都地裁前で「一部勝訴」と書かれた垂れ幕を掲げる原告側弁護士(15日午前)=共同

 津波対策を巡る国と東電の責任の有無や範囲のほか、原告の大半を占める自主避難者が事故前に住んでいた避難指示区域外での低線量被曝(ひばく)の危険性が主な争点。

 浅見宣義裁判長は、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した「長期評価」に基づき、国が津波をある程度予見することは可能で、東電に対して対応を命じなかったのは違法と指摘。避難指示に基づく避難でなくとも、個人ごとの当時の状況によっては自主的に避難を決断するのも社会通念上、合理性があると判断した。

 原告側弁護団は原告のうち64人の請求が棄却された点などを不服として控訴する意向を示した。原子力規制庁は「関係省庁で判決内容を踏まえ、対処方針を検討することになる」とコメントし、東京電力ホールディングスも「判決内容を精査し対応を検討する」としている。

 昨年3月の前橋地裁と同年10月の福島地裁の判決では、国と東電の責任を認めたが、同年9月の千葉地裁は東電にだけ賠償を命じ、国への請求は退けた。今年2月の東京地裁判決は東電の責任を認めたが、国は被告になっていなかった。

 京都訴訟の原告は事故当時の福島、宮城、茨城、栃木、千葉各県の住民。うち29人は東電が賠償対象とした区域の外に住んでいた。健康への影響を恐れ、大半が国の指示によらず自主的に避難せざるを得なかったとして、1人当たり原則550万円を求めた。

 原告側は、政府機関が2002年に発表した地震に関する「長期評価」に基づき、東電は津波被害を予見できたのに対策せず、国も改善を命じなかったと主張。国と東電は「津波の予見はできなかった」としていた。

 16日には東京地裁、22日には福島地裁いわき支部で同種訴訟の判決が予定されている。〔共同〕

春割実施中!日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報