2018年9月22日(土)

関西勢、ベア上積み相次ぐ 春闘一斉回答

2018/3/15 2:00
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 2018年春季労使交渉の一斉回答日である14日、関西の主要企業がベースアップ(ベア)に相当する賃金改善や年間一時金を労働組合に回答した。好業績を背景にパナソニックなどは5年連続でベアを実施し、上げ幅も前年を上回る企業が目立った。デフレ脱却に向けた個人消費の回復が広がるかは、今後交渉が本格化する中小がカギを握ることになりそうだ。

 パナソニックはベアに相当する賃金改善が月1500円で妥結。ベア実施は5年連続で前年実績を500円上回った。労組の広田典昭委員長は「かなり厳しい交渉だった」と振り返る。18年3月期の連結純利益は前期比41%増の2100億円を見込むが、累積の賃上げ額が9000円に上る。「会社側として重い決断をした」と評価した。

 JR西日本はベア1200円と前年実績を450円上回った。昨年12月に新幹線「のぞみ」が台車に亀裂が入ったまま運行を続けた重大インシデントを起こしたが、「17年度を最終年とする中期経営計画の目標を達成した従業員に報い、安全への取り組みを強化したい」(同社)。

 住友電気工業村田製作所はともにベア3000円の要求に対して、1500円の回答。前年実績を500円上回った。村田はスマートフォン向け電子部品の販売が好調で、「賃上げで人材確保につなげたい」と話す。

 好業績を背景に一時金の満額回答もあった。ダイハツ工業は年間一時金について満額にあたる5.7カ月分を回答した。国内の自動車販売が好調であり、定期昇給などと合わせた年収ベースで年3.9%の賃上げとなり、政府の求める「3%賃上げ」を上回った。

 アジア太平洋研究所(APIR)数量経済分析センター長の稲田義久氏は「全国と比べて遅れていた関西の賃上げが加速する」と評価する。ただ関西は中小企業が多く、中間所得層の個人消費を回復するには中小の賃上げが重要だ。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「人手不足が深刻だが、市場環境は厳しく、大企業のようには上げにくい」と指摘する。

■働き方改革にも力

 企業に働き方改革や人手不足への対応が求められるなか、労働条件の改善や年齢を限定した賃上げの動きも出てきた。

 シャープは大卒者の初任給について労組の月2000円の要求を上回る5000円の引き上げを回答。優秀な人材を確保するため、若手社員への重点配分を進める。労働条件では一般職の年間残業時間の上限を現状の750時間から720時間に引き下げる方向で、今後労使で協議を進めていくことを確認した。

 JR西日本は60歳以上の再雇用者を対象に正社員と同等の月1200円の賃上げを回答。現行の制度では再雇用者の年収は現役時代の5~6割に減り、モチベーションの維持が課題だった。ダイハツ工業は長く安心して働ける職場づくりのため、退職手当の積立金として毎月830円を会社から拠出することを決めた。

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