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米共和党、「鉄鋼の街」で苦戦 下院補選、トランプ政権に衝撃

【ワシントン=河浪武史】米東部ペンシルベニア州で13日投開票した連邦下院補選は、共和党と民主党の大接戦となり、決着を14日に持ち越した。同選挙区は鉄鋼の街、ピッツバーグ近郊で、2016年の大統領選ではトランプ氏が圧勝した。同氏は鉄鋼を輸入制限する産業保護策でなりふり構わぬ勝利を目指したが、思わぬ苦戦となった。11月の中間選挙に向けて政権運営の打撃となる。

13日に投票したのは、ペンシルベニア州南西部にある第18選挙区の連邦下院補選。14日未明に99%が開票した段階で、民主党のコナー・ラム元連邦検事(33)が579票差という極めて僅差で、共和党のリック・サコーン州下院議員(60)を上回っている。米メディアは当落を判断していないが、民主党のラム氏は14日未明に勝利宣言した。

同選挙区は鉄鋼の街、ピッツバーグの南部に属し、トランプ氏を支持した白人労働者が圧倒的に多い地盤だ。不振製造業が集積する「ラストベルト」(赤さび地帯)の一端で、16年の大統領選ではトランプ氏が民主党のクリントン候補に20ポイント差をつけて圧勝した。それが一転して民主党候補に苦戦し、トランプ政権と与党・共和党には大きな衝撃が広がった。

同補選は11月の中間選挙の前哨戦だ。共和党は17年12月に地盤のアラバマ州上院補選でも民主党に敗北しており、今回は落とせない選挙だった。トランプ氏は、投票直前の8日に鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限の発動を表明。10日には選挙区入りして「鉄鋼は戻ってくる。アルミニウムも戻ってくる」と大演説した。同選挙区には鉄鋼関係者だけで1万7千人の有権者がいるとされたが、極めて異例な"大盤振る舞い"も、大統領選のような熱気にはつながらなかった。

逆風となったのは自らのスキャンダルだ。同補選は共和党の前職が17年秋に女性スキャンダルで辞任したために行われた。にもかかわらず、選挙戦中にトランプ氏の不倫疑惑が相次ぎ報じられるなど挽回材料に欠いた。政権側近の相次ぐ辞任も「トランプ離れ」を印象づけた。

トランプ氏の支持率は政権発足から4割弱と低迷してきたが、白人労働者ら共和党支持者からは8割を超す高支持率を得ていた。16年の連邦議会選挙は「トランプ旋風」で共和党が上下両院を制した経緯があり、ライアン下院議長ら議会指導部もトランプ氏と共同歩調を取ってきた。

ただ、トランプ氏の支持基盤ともいえるラストベルトでの苦戦は、中間選挙を控える議会・共和党の協調姿勢を揺るがしそうだ。ライアン氏ら議会・共和党はトランプ氏の鉄鋼・アルミの輸入制限に強く反対する。昨年12月に続いて13日の補選でも共和党が連敗すれば、議会のトランプ政権からの離反が進む可能性もある。

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