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森友問題で円高・株安、日本人のうぬぼれ?

2018/3/14 9:00
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 日本時間昨晩のニューヨーク(NY)市場は、まずトランプ米大統領によるクアルコムに対するブロードコム買収の禁止令に揺れた。その後、ティラーソン国務長官の更迭。これは想定内だったが、ティラーソン氏がツイッタ―で知り、急きょアフリカ出張から帰国という展開は想定外だった。

 市場には「次は誰か」との臆測が飛び交う。後任はイラン・北朝鮮強硬派のポンぺオ米中央情報局(CIA)長官。「私と波長が合う」とのトランプ氏の発言に「トランプ・チャイルド」新閣僚がホワイトハウスで増えてゆく展開を市場は懸念する。

 ティラーソン氏の更迭を済ませたトランプ大統領は、カリフォルニアに飛び、メキシコとの壁の試作品を点検。巨大な壁の「見本」がずらりと並ぶ映像は、米保護主義へのビジュアル印象度を高める。そして取引終了時にかけ、「トランプ政権、中国へ数兆円規模の新関税を検討」という報道が流れNY株が一段安となった。知的財産権の侵害を理由に情報技術(IT)製品への関税にとどまらず、中国からの投資・ビザ発給制限も規制拡大の検討対象とされ、貿易戦争は第2段階を想起させる。

 このように騒然とした雰囲気のなかでは、極東の異国の政権危機による日本株売りなど話題にもならない。自国内の政権不安で頭はいっぱい。ポートフォリオ全体のリスク減らし(derisk)の一環として日本株のアロケーションも減らす程度である。

 さらに外国為替市場ではドル安は議論されても日本の政治要因で円買いという発想は薄い。森友問題の関連書類書き換えはフェイクニュースならぬフェイクペーパーということで、メディアではコンプライアンスの低さが指摘される。しかし、NY市場でこの問題を把握している人たちは極めて少数派である。森友問題を材料に円を買っているのは日本人が主流のようだ。森友問題に対する海外投資家の注目度が高いと意識するのは、日本人のうぬぼれなのかもしれない。米朝首脳会談の構想は韓国による仲介で、日本を置き去り気味で進んでいる。マーケットでも日本が置き去りにされるリスクが否定できない。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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