2018年6月25日(月)

米シカゴで東北セミナー、「生の声」でアピール

2018/3/14 4:56
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 【シカゴ=野毛洋子】米シカゴ市で12日、東日本大震災の追悼行事の一環で「東北セミナー」が開かれた。宮城県石巻市の水産業者や、福島をテーマにしたドキュメンタリー映画の監督などが震災から立ち上がる東北の姿を伝えた。会場では食の魅力もアピール、名産物「燻り牡蠣(いぶりがき)」や日本酒を振る舞い、集まった約180人のシカゴ市民が舌鼓を打った。

12日、シカゴ市内の文化センターで石巻の名産「燻り牡蠣」を売り込む古藤野靖さん(写真中央)

 スピーカーの一人は、石巻にある末永海産の古藤野(ことうの)靖さん。通訳を交えながら、震災で販路を失った石巻の漁師たちが協力し、海外に市場を求め試行錯誤しながら輸出を増やしている現状を話した。

 古藤野さんによると、アジア市場進出のために市場調査や商品開発に約3年かけた。その後、タイやベトナムなどアジアのバイヤーが石巻を訪れ「美しい海を見て、安心して買い付けを決めてくれ、取引が始まった」(古藤野さん)。400年前に地震からの復興を貿易に求めた仙台藩主の伊達政宗の例を挙げ、先人に習い米国など海外向け輸出促進に努める気構えだ。

 同氏が運営する「NPO法人こころの森」の活動も紹介した。生まれ育ち、災害後に危険地域と指定され住めなくなった石巻市南浜地区の広さ38ヘクタールの土地で復興の象徴となる森づくりを進める。「すでに1万本の植樹を終えた。美しい森をつくり、定住者を増やす」のが望みだ。

 もう一人のスピーカーは、ミシガン州在住の映像作家、椎木透子さん。福島をテーマにドキュメンタリー映画監督「スレッショルド:福島のつぶやき」で人々の生き様を追った。会場では作品の一部を映像で紹介し、子供たちの「同じ人間として扱ってほしい」との声や、普通に暮らす本当の福島の姿を見てほしい、という住民の願いを伝えた。

 会場では「東北の人たちの生の声が聞けてよかった」「行ってみたくなった」といった声が上がっていた。

 セミナーは、今年7回目を迎えたシカゴの震災追悼行事「KIZUNA(絆)」の一環。シカゴ市の関連団体であるシカゴ姉妹都市インターナショナルの大阪委員会、在シカゴ総領事館、シカゴ日米協会、シカゴ日本商工会議所、日本貿易振興機構(ジェトロ)シカゴ事務所が共催し、農林中央金庫が支援した。

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