2018年12月16日(日)

「一部の職員が」強調 麻生氏、火消し躍起 森友書き換え

2018/3/12 20:26
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学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省が12日、決裁文書の書き換えを認めた。身内をかばうため公文書に手を加えた同省。麻生太郎財務相ら政府側は謝罪する一方で、書き換えについて「関与は一部職員だけ」など事態の沈静化に躍起になった。「信頼できない」「政治家の関与は」。膨らむ疑惑に市民は不信感を募らせた。

記者の質問に答え、財務省を後にする麻生財務相(12日午後)

「極めて由々しきことで誠に遺憾。深くおわびを申し上げる」。午後2時ごろ、東京・霞が関の財務省1階エレベーターホール。冒頭、麻生財務相は100人を超える報道陣を前に神妙な面持ちで陳謝した。

自由な物言いが持ち味の麻生氏だが、この日は用意された紙に目を落とし淡々と読み上げる姿が目立った。答えに詰まり職員が慌ててメモを差し入れる場面もあった。

「理財局の一部の職員が書き換えた」「財務省全体(の問題)とは考えていない」「忖度(そんたく)があったとは考えていない」。麻生氏は繰り返し強調し、組織的な関与を否定。さらに、自らの進退についても「考えていない」と一蹴し、約15分間で対応を切り上げた。

財務省による意図的な文書書き換えの発覚を市民はどうみたのか。

横浜市の男性会社員(29)は「『森友学園への土地売却に問題はない』というこれまでの説明は何だったのか」と戸惑いを隠せない。「書き換えは許されない行為で二度と起きてはならない。原因究明と再発防止策の徹底が必要だ」と訴えた。

「(最終責任者は)理財局長だった佐川(宣寿)氏」と繰り返した麻生氏の対応に疑問の声も。

都内の男性会社員(46)は「官僚が自らの判断で書き換えなんてするだろうか」。決裁文書からは安倍晋三首相の昭恵夫人の名前が削られており、「政権を守るため、政治家が圧力をかけたと疑われても仕方ない」と厳しい口調だった。

東京都国分寺市の女性会社員(24)は「いつまで森友問題を議論しているのか」とあきれ顔。「北朝鮮問題や経済政策など喫緊の課題はたくさんある。決裁文書の書き換えが異常事態であることは分かるが、もっと重要な問題があるのでは」と話していた。

森友問題の真相究明を求める市民団体の発起人、醍醐聡・東大名誉教授は「財務省は他の文書も改ざんしていたのでは、と疑われても仕方ない」と指摘。「麻生財務相が言及した『理財局の一部』ではなく、財務省組織全体の問題だ。ガバナンスの問題点を第三者組織が徹底的に調べる必要がある」と訴える。

一方、官邸前にはこの日夜、市民が駆け付け、抗議集会を開いた。参加者は「うそをつくな」と声をそろえ、安倍首相や麻生財務相の辞任を迫った。

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