液体ミルク、国内製造へ 厚労省が省令改正案
常温で保存可能な「乳児用液体ミルク」の国内製造の開始に向け、厚生労働省は12日、製造方法などを定めた省令の改正案を決めた。液体ミルクは「調製液状乳」という名称で、生乳や牛乳などを原料とし、「乳幼児に必要な栄養素を加え液状にしたもの」と定義した。
今後は内閣府の食品安全委員会が健康面への影響を評価し、問題がなければ今夏をめどに省令を改正する。
厚労省は、日本乳業協会の保存試験などのデータに基づき、成分や製造方法などを定めた省令の改正案を作成。同日の有識者会議に提示し、了承を得た。
改正案では120度で4分間、加熱殺菌するなど製造方法を規定。常温を超えない温度で保存することを求めている。
液体ミルクは容器に乳首に似せた吸い口が付いており、封を開ければ赤ちゃんにすぐに飲ませることができる。粉ミルクのようにお湯で溶かす必要がなく、2016年の熊本地震ではフィンランドからの支援物資として配布され注目を集めた。
海外で流通している液体ミルクは、日本では「乳飲料」に分類され、現在も輸入販売はできる。だが、製造や保存の基準がなく、業界団体が国内製造の開始に向けて基準の設定を求めていた。