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PEがハイテク企業の買収で存在感(海外投信事情)

2018/3/14 12:00
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金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックなど高成長が期待されるハイテク企業のM&A(合併・買収)で、未公開株に投資するプライベートエクイティ(PE)ファンドの存在感が高まっている。世界的に低金利が長期化し、高い収益を求める投資マネーが集まっているからだ。

■目立つフィンテック企業の大型M&A

M&A仲介を手掛ける英ハンプルトン・パートナーズによると、投資家から資金を集めるPEなどの投資ファンドが2017年に手掛けたハイテク企業のM&Aは882件と前年比23%増えた。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC) を含む事業会社の案件が23%減の2559件にとどまったのと対照的だ。ハイテク企業のM&Aに占めるPEの比率は18%から26%に上昇した。

取引金額でみると、投資ファンドによるハイテク企業M&Aは約950億ドル(約10兆円)と前年比1%増えた。事業会社が約2300億ドルと44%も減っただけに堅調ぶりが際立つ。

米ヘルマン&フリードマン率いる投資グループがデンマークの電子決済処理会社ネッツを53億ドル、米ブラックストーンを中心とする投資グループが英ペイセイフを40億ドルでそれぞれ買収するなど大型M&Aが目立った。仮想通貨の基盤となるブロックチェーン(分散型台帳)技術や人工知能(AI)、自動運転、ビッグデータ、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」など将来有望な分野・企業への投資ニーズが高い。

■フィンテック企業が集まるロンドンに存在感も

英国ではPEによるハイテク企業M&Aの活発化でロンドンの存在感が増すとの期待感も大きい。欧州金融ハブの中核を担うと同時に、世界有数のフィンテック集積拠点でもあるからだ。

ロンドンには企業価値が10億ドルを上回る「ユニコーン」と呼ばれる有力スタートアップ企業も多い。17年のフィンテック企業向けベンチャーキャピタル(VC)投資額では、ニューヨークやシリコンバレーを抑えて首位だった。「過去最高水準の手元資金を抱えるPEにとってロンドンには2018年も大きな投資機会がある」(PwCコンサルティング)

一方で、ブロックチェーンやAIなど最先端技術を持つ有力企業に投資家がこぞって触手を伸ばした結果、「多くのフィンテック企業が資金調達の時点で高すぎる評価を受けてしまっている」(英投資会社マギスター・アドバイザーズ)との声が聞かれる。イングランド銀行(英中央銀行)は17年11月にインフレ加速を理由に約10年ぶりに利上げを決め、18年も利上げ含みの金融政策を維持する見通し。利上げで借り入れコストに上昇圧力がかかるようだと、PEの投資活動にじわり影響を及ぼす懸念もある。

(QUICK資産運用研究所 荒木朋)

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