大阪市などがIoT推進を披露、起業や災害対策で成果も

2018/3/9 20:00
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日経クロステック

クラウドや人工知能(AI)から、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」、働き方改革までを取り上げる展示会「Cloud Days 関西 2018」(2018年3月8~9日、グランフロント大阪)。同展示会で、地方版IoTプロジェクトを推進する自治体の行政官が集い、各地区の取り組みや効果、今後の可能性について討議するパネルディスカッションが開かれた。テーマは、「地方版IoT推進ラボ特別セッション『世界につながる、イノベーションを地方から!』」だ。

左から、大阪市経済戦略局理事の吉川正晃氏、奈良県産業振興総合センター生活・産業技術研究部IoT推進グループ主任研究員の林田平馬氏、美波町役場総務企画課主査の鍜治淳也氏(写真:北森幸)

左から、大阪市経済戦略局理事の吉川正晃氏、奈良県産業振興総合センター生活・産業技術研究部IoT推進グループ主任研究員の林田平馬氏、美波町役場総務企画課主査の鍜治淳也氏(写真:北森幸)

参加したのは国が推進するIoT推進ラボに参加する3自治体の担当者。大阪市IoT推進ラボからは大阪市経済戦略局理事の吉川正晃氏、奈良県IoT推進ラボからは奈良県産業振興総合センター生活・産業技術研究部IoT推進グループ主任研究員の林田平馬氏、徳島県の美波町IoT推進ラボからは美波町役場総務企画課主査・鍜治淳也氏の3人が出席し、日経BP総研イノベーションICT研究所の星野友彦上席研究員をモデレーターに議論を進めた。

パネルディスカッションは各地域が実施するIoTプロジェクトの取り組みの説明から始まった。大阪市では新たなIoTビジネスの創出を目指し、IoT起業家育成プログラム、実証実験支援プログラム、ソフト産業プラザ(インキュベーションセンター)活動を推進する。「関西全域の人々に使ってもらい、境界を越えたオープンイノベーションを推進する」と吉川氏は意気込む。

奈良県は「人口転出が続き、地域に情報産業の立地がほとんどないなか、既存の産業にIoTを活用してもらうことを目指している」(林田氏)。こういった認識のうえで、オープンイノベーションを念頭に、県のデータを整備して県外の企業に活用してもらうための橋渡しを考えているという。

徳島県美波町は「高齢化率が45.2%に達し、南海トラフ地震の発生確率も高いという地域課題を持つ」(鍜治氏)。このような地域課題に対して、IoTを活用し、災害時など通常の通信インフラの障害時にも、警報の配信、安否所在確認など最低限の通信を可能にするネットワークと、対応するスマートフォンアプリを開発したという。

成果は確実に出始めている。「3年間で10のプロジェクトの立ち上げを考えているが、現在3件がビジネスとして成立しつつある」(吉川氏)。また「IoTという言葉も普及し、追い風が吹いていると感じている」(林田氏)というコメントもあった。一方で、IoTに関するビジネスプランの不足や、収集したデータを効率的に分析するツールの不足といった課題もパネルでは指摘された。

(プランニング・ファクトリー サイコ 中野明)

[日経 xTECH 2018年3月8日掲載]

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