2018年10月16日(火)

内閣府専門調査会 受精卵のゲノム編集で報告書
容認 基礎研究に限定、指針作成へ

科学&新技術
2018/3/9 11:33
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内閣府の生命倫理専門調査会は9日、遺伝子を効率よく改変できるゲノム編集技術でヒトの受精卵を操作する基礎研究について、総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)への報告書案をまとめた。生殖補助医療を目的とする基礎研究の指針を国が作ることを求めた。現時点では医療応用は容認できないとした。早ければ2018年度内にも受精卵ゲノム編集の基礎研究が解禁される見通しだ。

9日に開かれた内閣府の生命倫理専門調査会

今後、同会議の決定を経て、文部科学省と厚生労働省が指針策定に乗り出す。指針はまず生殖補助医療に限って受精卵をゲノム編集で操作する基礎研究を認め、その後、難病や遺伝病、がんなどに範囲を広げる。

ゲノム編集に使う受精卵は不妊治療で余ったものに限り、精子と卵子を受精させて新たに作る受精卵を使うことは当面、禁じた。ゲノム編集した受精卵をヒトや動物の胎内へ移植することは倫理面、安全性で課題があり、現時点で、容認できないと結論づけた。

研究計画の倫理審査体制については、実施機関の倫理審査委員会と国の2段階で審査することとした。審査では関連学会のほか、医療関係団体などの意見を踏まえる。

ゲノム編集以外の遺伝子を改変する方法や、ミトコンドリアを受精卵に移植する技術なども将来は指針の対象とする。今後の課題として、法律による規制や、新たに作った受精卵の使用の可否などを挙げた。

生殖補助医療を目的として、受精卵を使った基礎研究ができることにより、受精卵が胎児になる仕組みの解明などが期待できる。不妊治療などに役立つとみられている。

中国の研究チームが15年にゲノム編集でヒトの受精卵を改変する基礎研究を実施したのを受け、内閣府の生命倫理専門調査会は議論を始めた。

米国では17年に全米科学アカデミー(NAS)と全米医学アカデミー(NAM)が厳しい条件のもと、将来、遺伝性の病気を予防する目的に限り、ヒトの受精卵をゲノム編集することを容認する報告書をまとめた。

ヒトの受精卵をゲノム編集で改変する研究は少なくとも中国で3例実施されている。米国ではゲノム編集でヒトの受精卵を改変し、遺伝性の心臓病を引き起こす遺伝子変異を高い効率で修復する実験に成功している。

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