2018年6月24日(日)

トランプ氏、輸入制限に署名 日本は交渉余地
カナダ・メキシコに猶予

2018/3/9 10:54 (2018/3/9 11:10更新)
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 【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は8日、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。それぞれ25%、10%の関税を23日から課す。全ての国に適用するが、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を進めるカナダとメキシコは当面猶予。日本を含む同盟国とも除外の協議に応じる余地を残した。中国などは報復措置を辞さない構えで、世界経済の成長を支えてきた自由貿易体制は大きく揺らいでいる。

 トランプ氏は8日、記者団に「貿易と軍事の両面で真の友達に大きな柔軟性と協調を示す」と述べ、同盟国と関税の修正や撤廃を巡って協議する余地があると表明した。「対象国からの輸入が米国の安保を脅かさないことを確実にする代替案で合意する」ことを関税見直しの条件に挙げた。

 日本や欧州などに関税の適用除外を認める代わりに、市場開放や新たな軍事負担などの譲歩を求める可能性も示唆した。カナダとメキシコに関しては「NAFTAで合意ができるかどうか見極めるため、両国への関税を保留する」と述べた。

 現在進めている再交渉の行方を踏まえて関税の猶予を続けるか判断する。トランプ氏は米国に有利な協定に見直すよう両国に圧力をかけており、輸入制限を取引条件として譲歩を引き出す構えだ。

 トランプ政権が主な標的とするのは過剰生産問題の原因とみている中国だ。米国の鉄鋼輸入全体に中国が占める割合は2%にとどまるが、ベトナムや韓国を通して米国に輸出されていると問題視している。トランプ氏は記者団に「迂回輸出を食いとめる」と強調した。

 国内で調達できない製品など特定の製品も関税の対象から除外する仕組みも設ける方針だ。

 今後は各国の出方が焦点になる。報復措置を講じたり世界貿易機関(WTO)に提訴するのか、関税除外のために米国と協議するのかの選択を迫られる。

 日本からの米国への鋼材輸出は年間約200万トンで、日本の全生産量の約2%。自動車部品などに使われる線材や鉱山鉄道用レールなど生産の難易度が高い鋼材製品が多い。米国国内で代替調達が難しい製品が大半で、日本の鉄鋼メーカーへの直接的な影響は少ないとの見方が多い。

 ただ、今回の輸入制限で各国が報復措置に乗り出す可能性がある。日本勢は鉄鋼生産の約4割を海外に輸出している。新日鉄住金の進藤孝生社長は「他国も保護主義的になれば貿易が大きく混乱する」として警戒感を強めている。

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