2018年6月24日(日)

米医療保険シグナ、大手薬剤給付会社を買収 5.5兆円
アマゾン参入観測、業界再編の動き加速

2018/3/9 2:31
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 【ニューヨーク=平野麻理子】米医療保険大手のシグナは8日、薬剤給付会社(PBM)大手のエクスプレス・スクリプツを520億ドル(約5兆5000億円)で買収すると発表した。PBMは保険会社の代わりに製薬会社と価格交渉し、値引きを引き出す役割を担う。米国ではアマゾン・ドット・コムのヘルスケア業界参入に備え、業界再編が加速している。

 シグナはエクスプレス・スクリプツの負債約150億ドルも引き受ける。負債を含めた買収総額は670億ドル規模に膨らむ。当局による承認を得た上で、2018年末の手続き完了を目指す。

 米国では17年12月、PBMを傘下に持つ米ドラッグストア大手CVSヘルスが医療保険大手エトナを690億ドルで買収すると発表した。PBMと医療保険の垂直統合で製薬会社に対する価格交渉力を高め、コスト削減につなげる狙いがある。

 シグナはもともと同業のアンセムとの合併を模索していたが、司法当局が独占禁止の観点から合併を認めず、17年に計画を撤回していた。

 PBMは取り扱う処方箋が増えるほど、製薬会社との価格交渉力が増す。PBMが作成する推奨医薬品リストに載らないと医療保険の適用から外れ、薬が売れないためだ。医療保険会社にとっては、医薬品が安くなれば最終的に支払う保険金が減り、収支改善が見込める。その分保険料を下げられれば、消費者へのアピールにもなる。

 アマゾンを巡っては、昨年から処方薬販売への参入観測が強まっている。今年1月末には米銀最大手のJPモルガン・チェース、運用会社のバークシャー・ハザウェイと組んで、医療関連サービスを提供する新会社を設立すると発表した。新会社のサービスは現時点で明らかになっていないが、従来のヘルスケア業界にアマゾンが与える影響が注目されている。

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