2018年12月13日(木)

築地再開発 「段階的整備論」が浮上

2018/3/9 1:00
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築地市場が豊洲市場へ移転した跡地の活用を議論する東京都の有識者会議で、何回かに分けて再開発を進める「段階的整備論」が浮上している。東京駅周辺と臨海部を結ぶ地下鉄構想が実現した場合、路線が築地跡地を通る可能性を踏まえたものだ。駅などを整備する余地を残しておくためで、今後の再開発の枠組みにも影響を与えそうだ。

築地市場跡地は約23ヘクタールと都心では屈指の広大な用地だ

8日開いた築地再開発検討会議は4回目。前回までの議論を踏まえ、築地の立地特性や周辺とのつながり、再開発の時間軸について検討された。

東京大学教授の出口敦氏は「キーワードの一つは段階的な整備」と指摘。臨海部の地下鉄構想を念頭に「公共交通のインフラ整備が構想されており、築地の真下を通るかもしれない」とした上で「うまくいけばものすごいプラス。段階的に整備する戦略を持ってほしい」と強調した。

築地市場跡地は隅田川に面し、東京湾にも近い。幹線道路の環状2号(環2)も整備される。舟運などの水上交通と鉄道や道路など陸上交通の結節点になることが可能だ。築地が都心と臨海部を結ぶ交通の要となれば、再開発用地としてのポテンシャルは飛躍的に高まる。

段階的整備を求める背景には再開発が周辺に与える影響の大きさもある。築地市場跡地は環2部分も含め約23ヘクタールと都心では屈指の広大な用地だ。出口氏は「短期間で一気に開発してしまうことへの懸念を共有すべきだ」と指摘。再生建築が専門の青木茂氏は「経済状況も変わる。(再開発は)短期ではなく時間をかけた方がいいのではないか」と述べた。

都顧問の宇田左近氏は「築地のスケール感は相当なもの。人を集める機能を単一で決めるのは非常に難しい」と指摘。「(築地のみで考える)自己完結型に陥りがちだが(周辺も含めて考える)波及型で議論したい」と強調した。

他の委員からは「一度に(計画を)決めないことのデメリットはあるか」との質問も出た。出口氏は「時間差を置くとバラバラのものができる懸念がある。横の調整機能を行政などが担う必要がある」と応じた。

小池百合子知事は昨年6月、築地跡地を売却せずに有効活用する方針を表明した。再開発を段階的に進めて一部の用地を未開発のまま取り置けば、目先の賃料収入が減少することも想定される。築地跡地の段階的整備は収益性の観点でも今後議論が求められそうだ。

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