コカ・コーラ、日本で缶チューハイ発売へ 世界初
米飲料大手のコカ・コーラは日本で酒類事業に参入する。2018年中に缶チューハイ商品を投入する計画だ。同社が缶チューハイを発売するのは世界で初めてとなる。世界的に砂糖税の議論が活発になっているほか、日本では清涼飲料事業の競争が激しい。既存の主力商品への逆風が強まるなか、新規の事業育成の足がかりとする。
傘下の日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥーニョ社長が方針を明かした。ガルドゥーニョ社長は18年中に「日本でチューハイと呼ばれるカテゴリーの製品を試す」と表明。コカ・コーラグループでは、過去にワイン事業に参入していたが、1980年代に撤退。現在はグループ全体でも酒類事業を展開していない。
米コカと同様、日本コカは缶チューハイの製造場所や発売時期などの詳細は明らかにしていない。コカ・コーラグループは炭酸飲料の「コカ・コーラ」などが収益の柱を担う。だが、砂糖税などの導入機運が高まるなど世界で健康志向が高まるなか、既存の主力事業だけでは将来の成長が見込みづらくなっている。
茶系飲料やミネラルウオーターでの成長余地は残るが、日本では清涼飲料全般でサントリー食品インターナショナルやアサヒ飲料など競合との争いは激しい。一方で、缶チューハイという独自のカテゴリーが伸びていることが日本での参入の背景にあるという。
缶チューハイの日本市場の伸びは続く。キリンによると、缶チューハイの17年の市場規模は前年比9%増の106万キロリットルに拡大。ビールから流れている消費者も多く、今後も市場の拡大は続く見通しだ。伸びる状況も踏まえ、コカ・コーラグループも参入を決めた。
米コカ・コーラの17年12月期の売上高は、製造・販売を手掛けるボトリング子会社の売却などが影響し、前の期比15%減の354億ドル(約3兆7500億円)だった。