妻の病気で異動拒否「病院の解雇、無効」 大阪地裁
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)の職員だった50代の男性が、妻の病気を理由に異動命令を拒否し、解雇されたのは不当だとして、雇用継続などを求めた訴訟の判決が7日、大阪地裁であった。内藤裕之裁判長は解雇を無効と認め、未払いの賃金や賞与の支払いを命じた。
判決理由で内藤裁判長は、男性の妻が患っていたパニック障害やうつ病などの症状は深刻で、「異動命令に従えば、環境変化が重大な事態を引き起こす可能性も想定できた」と指摘。センターによる解雇の処分は重すぎ、人事権や懲戒権の乱用に当たると判断した。
判決によると、男性は2012年から入院外来係長などとして勤務。センターは15~16年に2度、国立病院機構傘下の病院への異動を命令したが、男性が従わなかったとして、同年5月末での懲戒解雇を命じた。
男性は「一刻も早く職場に戻りたい」とコメント。センターは「主張が認められず遺憾。判決内容を十分に検討して控訴するか決める」としている。
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