埼玉県杉戸町、旧宿場の魅力発信拠点

2018/3/7 23:00
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埼玉県杉戸町は、町を代表する夏のイベント「古利根川流灯まつり」の会場となる「杉戸宿魅力発信拠点施設」の建設を進めている。塗装作業には、包括的連携協定を結ぶ日本工業大学(同県宮代町)の学生が参加した。建物を設計した町職員が現場の様々な工種や安全対策などについて解説。直接現場の作業に触れる機会を提供し、学びに生かしてもらう狙いだ。

学生は塗装作業に参加し、建築の工程などについて学んだ

同施設は、流灯まつりのメイン会場などとして使われてきた第2流灯工房を解体し、跡地で2017年12月に着工。面積約342平方メートルの木造平屋建てで、日光街道の宿場、杉戸宿の開宿から400年を迎えたのを記念して実施したプロジェクトの成果を踏まえ、木材をふんだんに使い、蔵をイメージしたデザインが特徴だ。国の地方創生交付金も活用し、設計、工事費に約6200万円をかける。

流灯まつりのイベント会場、灯籠の制作・保管場所として使うほか、杉戸宿めぐりの休憩スペースや物産市にも活用し、地域活性化に生かす。

意匠設計は1級建築士の資格を持つ町建築課の渡辺景己さん(48)が担当した。工事は入札を経て地元企業に発注。一部の作業を手伝ってもらうことで建築について学んでもらおうと隣町にある日本工業大の学生を募り、建築学科2年の田口陸斗さん(20)と張寧さん(20)の2人が2月に5日間参加した。

2人は施設内部の柱や梁(はり)などを、宿場の古民家をイメージさせる黒色に塗る作業を体験。渡辺さんから木材の種類によって塗料の染み込み方が異なることや、人の手に触れる部分はやすりをかけて2度塗りすること、公共工事の仕様や安全対策について説明を受けながら作業した。

渡辺さんは工事の進捗に応じて様々な工種の作業も2人に見てもらった。「完成までに10~20の工種があり、現場を管理するには自分も知っていなくてはいけない。建築を学ぶ地元の学生に、実体験で学んでもらいたいと考えた」と話す。

将来、建築関係の仕事に就きたいという田口さんは「学校だけでは実際の作業をなかなか学べない。塗装以外にも様々なことを教えてもらい、大工さんの作業を見て勉強になる」と目を輝かせていた。

建物は3月末に完成する予定。6月ごろには使用を開始し、8月の流灯まつりに向け、約250基の灯籠が制作される。町は3月26日まで施設の愛称を公募している。

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