「動き感じるヘッドホン」に大賞 起業家甲子園

2018/3/7 20:00
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全国の高校生や大学生らが事業アイデアを競い合う「起業家甲子園」が7日、都内で行われた。大賞に相当する「総務大臣賞」には、仮想現実(VR)技術を応用したヘッドホンを立案したチーム「G+(ジープラス)」が選ばれた。代表の大阪大学大学院の北尾太嗣さん(27)は事業化に向けて年内に会社を設立する計画だ。

総務大臣賞を受賞した阪大大学院の北尾さん(前列右から3人目)

このヘッドホンを装着すると、実際には静止しているにもかかわらず、移動しているように感じる。阪大大学院でVRを研究している北尾さんらは、耳の奥に位置して体全体のバランスを保つ役割を持つ前庭(ぜんてい)器官に着目した。ここに微弱な電気を流すと「疑似的に動いているような感覚を持たせられる」(北尾さん)。VRのゲームに使えば臨場感をより高めることができる。

ゲームだけでなく、乗り物酔いの防止にも役立つ可能性がある。目と前庭器官とでは、得られる感覚にズレが生じることがあり、これが乗り物酔いの原因となる。ヘッドホンで前庭器官に刺激を与えれば、そのズレを調整できるとみている。

北尾さんは「将来、自動運転車が普及すれば、乗車時間を読書などに有効活用したい人が増えるはず。このヘッドホンを使えば、車酔いせずに読書を楽しめるようになる」と説明する。

起業家甲子園は総務省と同省所管の情報通信研究機構(NICT)の主催で、2012年から毎年開催されている。ICT(情報通信技術)を活用したスタートアップ(ベンチャー)企業の創出を目的としている。7回目となった今年は、全国各地の予選を勝ち抜いた9チームが参加した。予選を通過した9チームにはベンチャーキャピタル(VC)などがメンター(助言者)として支援し、事業計画を練った。

審査委員長を務めたインターネット広告大手のセプテーニ・ホールディングスの佐藤光紀社長は「時代を読む目利きの鋭さ、優れた技術力を持った起業家精神の現れを感じた。高い志を持って挑戦を続けてほしい」と参加者にエールを送った。主催者のNICTの黒瀬泰平理事は「事業として成長する可能性を持つ若者を全国から発掘し、育成していく。大きく飛躍してほしい」と語った。

(企業報道部 駿河翼)

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