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美浦トレセンの40年は「東西格差の30年」

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2018/3/10 6:30
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中央競馬所属馬は、美浦(茨城県美浦村)と栗東(滋賀県栗東市)の2カ所のトレーニングセンター(トレセン)で調教されてレースに臨む。かつては競馬場ごとに厩舎があったが、都市化とともに悪臭問題などで近隣住民との摩擦が生じ、2カ所に集約された。このうち、後に開場した美浦は4月に40周年を迎えるが、ここに集まる関東地区の馬は過去30年、栗東の関西馬の後じんを拝し続け、美浦の40年は「東西格差の30年」となった。関東馬がなぜ、劣勢に追い込まれているかを検証する。

第35回フェブラリーステークスを制したノンコノユメ(手前)=共同

第35回フェブラリーステークスを制したノンコノユメ(手前)=共同

年間500勝差が固定化

2月18日に東京で行われた今年最初のG1、第35回フェブラリーステークス(ダート1600メートル)で、関東馬が2つの連敗を止めた。16頭中、関東勢は3頭だけだったが、4番人気のノンコノユメ(6歳去勢馬、加藤征弘厩舎)が、連覇を狙った1番人気のゴールドドリーム(牡5、栗東・平田修厩舎)に首差で競り勝った。1997年のG1昇格後、関東馬は98年のグルメフロンティアを最後に負け続けていたが、連敗を19で止めた。昨年の秋華賞から続いていた平地G1連敗記録も11で止めた。

2つの不名誉な記録は止めたが、東の劣勢を示す数字は枚挙にいとまがない。昨年の勝利数は1465対1991で西が526勝も多く、年間勝利数の関西優位は2017年で30年連続に。重賞勝利は48対90とダブルスコアに近い。平地G1勝利数は6対18。過去10年間、年間勝利数で東は1413から1538の間を推移し、西は1920~2037。東日本大震災で中山と福島が長期休催となった11年を除いても、9年中6年は格差が500勝以上で、12年は601勝だった。

平地G1の勝利数を見ると、過去10年で関東53勝に対して関西は165勝と3倍以上の大差がついた(外国馬4勝)。G1や重賞では過去5年、東がそれなりに押し返した。08~12年のG1で関東勢は21勝にとどまったが、13~17年で32勝。昨年もスプリンターズステークスまでは6対7だった。重賞勝ちも08~12年の181勝に対し、13~17年は227勝。それにしても相当な劣勢である。

次に、馬主や厩舎関係者にとって死活問題となる獲得賞金(本賞金と付加賞。付加賞は特別競走の1~3着馬に当該レースの登録料を7対2対1の比率で配分)を見ると、昨年は美浦が336億3050万5000円に対し、栗東は495億8289万5000円で、シェアは40.3%対59.5%(地方馬は1億8054万円で0.2%)。賞金の6割を関西勢が占めた。16年は東が331億4453万5000円で西が463億4987万5000円。41.6%対58.2%の比率だった。昨年は2つのG1新設などで賞金が増えたが、その大半は栗東に渡った。賞金の約6割を西が占める状況が続いている。

坂路効果で逆転

年間勝利数で長年の関東優位が初めて逆転したのは88年。美浦の1634勝に対し、栗東は1678勝だった。ここから格差は一気に広がり、92年には1351勝対2048勝と、栗東が2000勝の大台を突破した。ここから美浦側も巻き返し、90年代末から05年までは1500勝台後半で推移し、03年は1601勝と栗東との差を240勝まで詰めた。だが、ここから再び栗東が勝ち星を伸ばし始め、東日本大震災の影響で中山や福島の開催が中止となった11年は、栗東からのアクセスのいい新潟や小倉での代替開催が増えたこともあり、栗東が19年ぶりに2000勝の大台に乗せた。

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