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格上ゴールこじ開ける アイスホッケー熊谷昌治

2018/3/7 2:30
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昨年10月、パラアイスホッケーの平昌パラリンピック最終予選。4試合で日本代表最多の4得点を挙げ、8年ぶりの出場へと導いたのがFWの熊谷昌治(43、アディダスジャパン)だ。

一番のヤマ場だった初戦のドイツ戦。開始わずか31秒で先制ゴールを決めた。競技を始めたのは2010年バンクーバー大会で日本が銀メダルを獲得した後だから、自身初とも言える大舞台だった。「僕が一番落ち着いていなかったが、ドンピシャのパスが来て。緊張が解けた」。ここから日本はゴールラッシュ。近年敗戦続きだった相手に6-2で勝利し、チームは一気に波に乗った。

最終予選では4得点を挙げた熊谷

最終予選では4得点を挙げた熊谷

10年前に交通事故で右膝下を切断。様々な障害者(パラ)スポーツを始める。「今までやってきたことができなくなり先の見えない人生になるのかなって。それより、こんなこともできると子どもたちに見せたかった」。家族への思いが原動力になった。

ホッケーを選んだのは、日本代表で同じ長野県に住む吉川守(48)が銀メダルを手に「世界を見ようぜ」と誘いに来たからだ。スピードスケートには親しんでいたが、ホッケーは門外漢。まして独特のスレッジ(そり)に乗るパラホッケーは「難しかったが、僕も世界で活躍したかった」と35歳での挑戦を始めた。

競技人数が少ないゆえ日本代表合宿にも呼ばれ、「ある程度動けるようになった」という鼻っ柱がへし折られたのが12年のカナダでの国際大会。ベテランの多いチームでFWとして機能できず、5試合での滞氷時間は計2分足らず。「自分が許せなかった。経験や読みが必要な競技で、それが浅かった」。一層トレーニングに力を入れ、現在の地位を築く。「短期間でポイントゲッターになれたのは意識だと思う」と胸を張る。

国内で数が限られるアイスリンクでの練習環境は、パラホッケーに優しくない。所属する長野のクラブチームも週末に1回、午前6~7時から1時間半だけ。だが必ずリンクの開場時には到着、チーム練習の前に30分間1人で黙々とシュート技術を磨く。パラホッケーは両手の2本のスティックでこぎ、シュートを放つので、利き手ではない左手でのシュート練習にも力を入れている。

最終予選を3勝1敗で突破した。だが、その後2度の国際大会では10連敗。計7得点、同60失点と内容も悪い。平昌の1次リーグでは韓国、米国、チェコといずれも格上との戦いが待つ。

「おそらくきれいなシュートは入らない。個人でのフェイントももちろんだが、チームとしてGKを揺さぶってのシュートを決めたい」。3人の子どもも学校を休んで応援に来る。不屈の父の勇姿を見せたい。

(摂待卓)

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