2018年5月22日(火)

日本語教師の質、向上へ 養成指針18年ぶり改訂

2018/3/6 21:06
保存
共有
印刷
その他

 文化庁は日本語教師などの養成や研修の指針を18年ぶりに改訂した。日本語教師を育てている大学などを対象に養成課程の例を初めて提示。理論と実践をバランス良く学ぶことや教育実習の実施などを求めた。在留外国人の増加で日本語教育は需要が高まる一方、教師の能力や資質にはばらつきがあるとされ、モデルを示すことで養成課程の質の底上げを図る。

 日本語教師は国家資格がなく、大学や民間の日本語学校は2000年に同庁が策定した指針を参照して養成課程のカリキュラムを作っている。従来の指針は150項目近くの学ぶべき内容を優先度を示さずに列挙。このため大学は理論、民間機関は実践系の科目に偏る傾向があったという。教育実習を行わなかったり、授業見学にとどめたりするケースもあった。

 同庁が2日付で公表した指針は、学ぶべき内容を「多文化共生」「教授法」など50項目に絞った。さらに、具体的な科目として体系的に配列したカリキュラムの例を示した。

 教育実習については、実際に授業準備をして教壇に立つ段階までを経験させるよう求めた。

 養成課程で学ぶべき内容を絞る一方、就職後の初任者研修の内容は多様にした。日本語を教える対象を(1)日本で日常生活を営む人(2)留学生(3)児童生徒――に3分類。留学生を教えている場合には「留学生の進学・就職指導」、児童生徒に教えている場合には「発達段階と言語習得」を学ぶなど生徒の属性に応じた研修内容を示した。

 日本語教師のほか、地域で日本語教室を運営する人材などを「日本語教育コーディネーター」、日本語教育の専門知識はないがボランティアなどとして関わる人を「日本語学習支援者」とし、それぞれの研修内容も盛り込んだ。

 文化庁によると、2016年末の在留外国人は238万人で過去最多。労働者や留学生などを中心に、5年前の11年末比で16%増えた。日本文化への関心の高まりなどもあり、日本語学習者は16年度に21万7千人と同7割増えた。

 日本語教師も16年度に3万7千人と同22%増加。しかし、養成課程の内容の偏りや不十分さから教師の質にばらつきがみられるのが実情だ。大学などでは「日本語教育が専門でない教員がカリキュラムを作っている例もある」(国語課)とされ、同庁は新指針により適切な養成課程を作りやすくなるとみている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報