神戸製鋼、川崎社長辞任を発表 - 日本経済新聞
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神戸製鋼、川崎社長辞任を発表

社外取締役3分の1超に 後任は未定

神戸製鋼所は6日、アルミ・銅製部材などの品質不正問題で川崎博也会長兼社長(63)が引責辞任すると発表した。同日公表した調査報告書では品質データを改ざんした製品の出荷先は80社増え、605社になったことが明らかになった。取締役会議長に社外取締役をあてるなど企業統治の体制刷新を急ぐが、信頼回復の道は険しそうだ。

同日、都内で記者会見した川崎社長は「組織風土や社員の意識などで根深い問題を抱えている。製品の安全性検証や生産調整など多くの取引先や株主に多大なご迷惑をおかけした」と謝罪した。

アルミ・銅事業を担当していた金子明副社長(63)も辞任、執行役員3人も退任や減俸の処分が下された。一連の不正問題では、OBを含め5人の取締役や執行役員が関与・隠蔽に加担し、社員40人超が不正に関与していたことを明らかにした。4月から新体制となり、社長は近く決める。

再発防止に向けて、これまで会長が務めていた取締役会議長を社外取締役に代えるため、会長職を廃止。社外取締役の割合を3分の1以上にするほか、「指名・報酬委員会」を設置して経営の透明性を高めるとした。

2018年3月期の業績への影響について「不正品の交換費用など100億円程度の減益を見込んでいる」(同社)という。19年3月期の見通しは「米司法省から調査を受けているが、全面的に協力し(影響は)最小にする」(同)とした。

過去にも不祥事を起こしていた神戸製鋼。なぜ負の連鎖を断てなかったのか。同日公表した80ページにも及んだ報告書では経営陣と現場の乖離(かいり)を前提に「とりあえず受注」や「声をあげても仕方ない組織風土」が指摘され、統治不全が改めて露呈した。

神戸製鋼は現在、素材業界でも最大級の7セグメントを持つ。2010年に事業部門制に移行したが、報告書では事業部門への強い権限委譲で「各拠点とも利益目標を高く設定せざるを得なかった」と指摘。川崎博也会長兼社長も「本社と事業部門で高い壁がある」と述べた。

「機会があれば取りあえず受注する」「できるだけたくさんの製品を生産して利益を上げる」。各事業部門に権限が委譲されたことで、人事異動もほとんどなかった。閉鎖的な組織風土の結果、納期優先と短期的な利益を目的に、不正が常態化する結果になった。

顧客の同意があれば契約した品質基準を下回っても製品を出荷できる商慣行「特別採用(トクサイ)」の悪用についても言及。グループ会社のコベルコマテリアル銅管ではエクセルファイルで「トクサイリスト」を作成していた。「品質保証室のスタッフに相談することなく、材料試験検査員が独自判断で出荷していた」という。水口誠専務執行役員は「本来とは違うやり方で『トクサイ』をやってしまっていた」と述べた。

また、経営陣と工場側に溝があることについて、報告書は、現場が声を上げられない、声を上げても仕方がないと考え、これらが閉鎖的な企業風土を生むことにつながったとした。

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