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楽天、携帯網に東電インフラ 海外機器調達も視野

楽天は6日、2019年の参入を目指す携帯電話サービスについて、東京電力の設備を借りて基地局を整備すると発表した。首都圏にある送電鉄塔や電柱を活用し、用地確保や工事にかかる費用を削減する。楽天が携帯網の構築に充てる設備投資約6000億円は携帯大手に比べ少ないという指摘がある。楽天は基地局の機器に割安な海外製を採用することも視野に入れ、低コストで全国をカバーする考え。

楽天は東電管内の東京都、神奈川県など首都圏・関東9都県で、送電鉄塔を中心に500~1000カ所を借りる。一般に基地局用に40メートル級の鉄塔を構築する場合、工事費だけで最低1000万円かかるといわれる。

少なくとも50億円のコスト削減になる計算だ。楽天は今後、東電以外の電力大手とも鉄塔の貸し出しの協議を進め、全国規模でコストを抑えつつ、基地局の場所を確保していく考えだ。

楽天は携帯網の構築に総額約6000億円を充てる計画。NTTドコモが年間に約6000億円を設備投資に充てていることと比較し、「投資額が少なすぎる」という指摘が相次いでいた。楽天は東電との契約で疑問に一つの答えを示した。

楽天は一方で、通信インフラ機器について、割安な海外製の調達を検討する。スウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキア、中国の華為技術(ファーウェイ)といった海外の通信機器大手が楽天にアプローチを始めたようだ。

日本の通信インフラ機器では歴史的に、NEC富士通が高いシェアを占めてきた。しかし最近はNTTドコモでノキア、KDDIで韓国サムスン電子、ソフトバンクでエリクソンといった海外製機器の採用が加速している。

楽天のような新規参入は通信機器メーカーにとって特需となるため、海外各社は「基地局の初期費用を無料にするような提案も用意している」(業界関係者)ようだ。

基地局は小型化と低コスト化が進み、交換機の機能は一般のサーバーでも果たせるようになってきている。

携帯インフラに詳しい調査会社MCA(東京・千代田)の小藤秀樹取締役は「ゼロからネットワークを構築するのであれば、過去に経験がない金額で設備を作れる」と分析。「楽天は新たな技術を最大限生かしてカバー地域を広げられる。6000億円でも全国展開できる」との見方を示す。

ただ、低コストで全国に携帯網を展開できたとしても、楽天が携帯大手3社との競争に勝ち抜けるか否かは別の問題だ。

大手3社は1社が複数の周波数帯を持つ。その周波数帯を組み合わせて高速化しており、年内には最大で毎秒1ギガ(ギガは10億)ビット程度の高速通信を実現する見込みだ。

楽天が今回、電波を最大限確保できたとしても大手の周波数帯には数で及ばず、最大速度は数分の1にとどまる。ネット閲覧などに欠かせないデータ速度に限界があり、顧客集めでハンディとなる恐れがある。

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