財務省、真相開示先送り 森友問題「地検に文書」
財務省は6日、学校法人「森友学園」への国有地売却問題に関する調査状況を参院予算委員会理事会に報告した。「文書は捜査の対象になっており直ちに確認できない」と主張。財務省が決裁文書を書き換えた疑惑には事実上の「ゼロ回答」で真相開示を先送りした。これに野党が反発し、6日の参院予算委は見送られた。与党からも財務省の対応に異論が出ている。

朝日新聞が2日付朝刊で報じた疑惑では、2015~16年に財務省近畿財務局が森友学園と土地取引をした際の決裁文書と、17年2月の問題発覚後に国会議員らに示した文書を比べると「特例」「特殊」などの文言がなくなっているという。財務省はこれまでも疑惑の真偽について「捜査中なので答えられない」と繰り返し主張してきた。
6日の参院予算委理事会では「大阪地検で捜査が行われており、財務省は全面的に協力している。捜査に影響を与えないよう全省をあげて、文書の確認や職員への聞き取りなどの調査を進めたい」と説明した。「決裁文書の原本は大阪地検にある」と述べるにとどめ、疑惑の真偽は「わからない」と繰り返した。
野党は財務省の対応に反発し、6日の参院予算委の審議を拒否した。衆参両院でそれぞれ国会対策委員長会談を開き、今後の対応次第では各委員会での新たな日程調整に応じない方針を確認。佐川宣寿国税庁長官の国会招致を求める考えでも一致した。立憲民主党の蓮舫参院国対委員長は記者団に「丁寧な説明と真逆な対応をしてもらっても困る」と批判した。
与党から財務省を批判する声も出始めた。二階俊博幹事長は記者会見で「どういう理由で国会から要求された資料が出せないのか理解できない。速やかに対応するよう重ねて要望したい」と指摘した。高村正彦副総裁は党役員連絡会で「政府には説明すべきことをしっかり説明してほしい」と述べた。