「電動SUV」主流に ジュネーブ自動車ショー開幕
アウディ・ジャガーが市販EV公開

2018/3/6 11:34
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【ジュネーブ=深尾幸生】ジュネーブ国際自動車ショーがスイスで6日開幕する。目立つのは多目的スポーツ車(SUV)と、電動車の組み合わせだ。独アウディと英ジャガー・ランドローバー(JLR)は近く発売するSUV型の電気自動車(EV)を披露した。電動SUVが広がるのは、環境規制対策と販売を両立させる必要性があるからだ。電動車へのシフトが進む中で、電池のコストを吸収し設置スペースを確保しやすいSUV型が一つの主流になりそうだ。

アウディが年内に生産開始するEV「eトロン」は外観の一部を公開(5日、スイス・ジュネーブ)

ジャガー・ランドローバーはEV「Iペース」を今夏に発売する(写真はコンセプト車、17年のフランクフルト国際自動車ショー)

独フォルクスワーゲン(VW)グループが5日に開いた前夜イベントで登場したのはアウディの「eトロン」。会場では特別に作られた部屋の中に置かれ、小さな窓からしか見ることができなかったが、年内に生産開始し、2019年に発売する市販モデルだという。

満充電での走行距離は約500キロメートル。アウディのトニ・メルフィ副社長は「あらゆる面で米テスラの『モデルX』より優れている」と強調する。

SUV型EVの商品化でテスラに続いたのはJLRだ。今夏に発売する同社初のEV「Iペース」を披露する。SUVとクーペの特徴を併せ持つ「クロスオーバー車」で、5人乗りの広い車内空間が特長だ。最高出力は400馬力で満充電で480キロメートル走行できる。

JLRは旗艦車種「レンジローバー」などでもプラグインハイブリッド車(PHV)を投入しており、一気に全車種にEVかハイブリッド車の設定を設ける。

18年以降に欧州で発売する新型車からディーゼルエンジンの設定をなくす方針を明らかにしたトヨタ自動車は高級車ブランド「レクサス」から小型SUV「UX」を初公開する。レクサスで4車種目のSUVとなり、ハイブリッド車が基本となる。トヨタブランドから発売した小型SUV「C-HR」は欧州では78%がハイブリッド車という実績もある。

欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は四輪駆動車の代名詞「ジープ・ラングラー」のハイブリッド車を展示する見通しだ。FCAは乗用車でディーゼル車の販売をやめるとの報道もあり、電動化でSUVのパワーを補う。欧州勢ではダイムラーとBMWもSUV型EVの発売を計画している。

自動車調査会社の英JATOダイナミクスによると17年の世界主要52カ国・地域のSUV販売台数は16年と比べ13%増え、シェアは3ポイント増の34%に達した。コンパクト車やミニバンの販売が落ち込むなかで数少ない有望分野になっている。

一方で車体が重いSUVは二酸化炭素(CO2)排出量が多い。欧州の現行の規制では21年までに企業平均で1キロメートル走行あたり95グラム以下に抑える必要がある。VWによるとガソリンエンジンでは小型SUVでも120~140グラムまでしか減らせず、ハイブリッド化やEV化が欠かせない。

各社は電池の性能向上を前提に25年に向けEVやPHVを大量投入する計画を持つ。先兵としてまず電動SUVでの競争が活発になりそうだ。

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