2018年12月11日(火)

肺がんなどに新たな免疫療法、山口大がマウス実験

2018/3/6 1:00
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山口大学の玉田耕治教授らは遺伝子操作した免疫細胞を利用する「CAR―T」と呼ぶがん治療法を改良し、マウス実験で肺がんなどへの効果を高めることに成功した。免疫細胞を呼び寄せたり増殖を促したりするたんぱく質を遺伝子操作で作らせ、がん組織での免疫反応を強める。ベンチャー企業と協力し、2年以内の臨床試験(治験)開始を目指す。

成果は米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(電子版)に6日掲載される。

CAR―Tは免疫細胞の一種であるT細胞の遺伝子を改変し、がん細胞への攻撃力を高めて患者に投与する治療法だ。血液のがんである白血病で高い効果を示し、スイス製薬大手ノバルティスなどが実用化した。ただ肺がんや膵臓(すいぞう)がんなどの固形がんに対する効果は低いという。

研究チームはCAR―Tの細胞に、「IL―7」「CCL19」と呼ぶ2種類のたんぱく質を作らせる遺伝子も組み込んだ。これらは体内の免疫細胞を呼び集め、増殖を促す働きがある。

肺がんや膵臓がんの実験用マウスに改良型のCAR―Tを投与した。ほぼ全てのマウスでがんがなくなり、生存期間も長くなった。従来型のCAR―Tでは、マウスの生存率は高くても30%程度にとどまった。改良型のCAR―Tを投与すると免疫機能が高まり、がんの再発を予防できる可能性があることも確かめた。

今後は安全性などの検証を重ね、山口大発ベンチャーのノイルイミューン・バイオテック(東京・中央)と協力して実用化を目指す。

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