中国、18年の成長目標6.5%維持 全人代開幕

2018/3/5 11:07
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【北京=小高航】中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第1回会議が5日午前、北京の人民大会堂で開幕した。李克強(リー・クォーチャン)首相は2018年の経済成長率目標を昨年と同じ「6.5%前後」に据え置いた。所得格差の拡大や企業の借金膨張など成長重視路線のゆがみが目立つ中、「量から質」への転換により持続的な発展をめざす姿勢を鮮明にする。

全人代が開幕し、政府活動報告をする李克強首相(5日午前、北京の人民大会堂)=三村幸作撮影

全人代が開幕し、政府活動報告をする李克強首相(5日午前、北京の人民大会堂)=三村幸作撮影

18年の予算案では、国防費を前年比8.1%増の1兆1069億元(約18兆4500億円)とした。2年連続で1兆元の大台を超える。

李首相は所信表明演説に当たる政府活動報告で「今年は改革開放から40年の肝心な1年。経済・社会の持続的で健全な発展を促進する」と述べた。習近平(シー・ジンピン)国家主席が掲げる「小康(ややゆとりのある)社会」を20年までに実現するため、生活水準の向上や格差是正を優先する経済政策運営を強調した。

財政政策では国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率は2.6%と17年の3%から引き下げた。過度のインフラ投資に頼らず安定成長を目指す姿勢を示した。金融政策では「穏健な政策を中立に保つ。通貨の供給量をしっかりコントロールする」と指摘。企業などの債務が急速に膨らんでいることを踏まえ、現預金総額や融資総額を「合理的に増やす」と適切に管理する考えを示した。具体的な数値目標は提示しなかった。

習指導部は金融リスクの抑制を20年までの3つの重要課題の筆頭に掲げており、金融政策を引き締め気味に運営するとみられる。消費主導型の経済成長へ向け、都市部で1100万人の新規雇用を目指す目標を示した。ネット産業の勃興などで雇用環境は改善が続いており、17年の1100万人に続き高い目標を維持した。

全人代の会期中には国家主席の任期撤廃を柱とする憲法改正案も採決する。習氏はこれにより2期目が終わる23年以降も国家主席にとどまることが可能となり、一段と権力集中が進む。李首相は演説で「習氏を核心とする党中央の力強い指導」を維持すると繰り返した。

全人代では大都市の不動産価格の高騰や格差の拡大に歯止めをかけるため、日本の固定資産税にあたる不動産税を導入するかどうかも注目される。李首相は「立法を推進する」と述べたが、会期中に法案を提出するかは明言を避けた。

政府活動報告ではトランプ米政権が鉄やアルミニウムの輸入制限を検討していることを念頭に、「保護貿易主義に反対し、自らの合法的な権益を断固として守る」とけん制した。

全人代の会期は例年、10日間程度だが、今年は17年秋の党大会を踏まえた国家人事や14年ぶりの憲法改正を実施するため16日間の長期日程となる。外交トップの楊潔篪・国務委員や王毅外相の去就に加え、引退見通しの周小川・中国人民銀行(中央銀行)総裁の後任人事も17~19日に判明する見通し。

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