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投手の「2段モーション」、解禁の影響は?
編集委員 篠山正幸

2018/3/6 6:30
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 投球時のいわゆる「2段モーション」が、今季“再解禁”され、キャンプでは投手たちが独自のフォームを追求する姿がみられた。昨季ルール違反とされた菊池雄星(西武)は自由なフォームで投げることで、さらに打者を圧倒することになるのか。影響が注目される。

菊池「迷いなく投げられる」

 キャンプで早速、右脚を小さく上げ下げする昨季半ばまでのモーションを試した菊池は「(フォームに)迷いなく投げられる」と、すっきりした表情をみせた。

 野球規則によると、投手は「打者への投球に関する動作を起こしたならば、途中で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない」とある。「ワインドアップポジション」「セットポジション」とも、同じ文言で定められている。

キャンプで投げ込む西武・菊池。フォームの自由度が増すことで、昨季以上の活躍も期待される

キャンプで投げ込む西武・菊池。フォームの自由度が増すことで、昨季以上の活躍も期待される

 平たくいえば、投球は一連の滑らかな動作になっていなければならないというわけで、おろしかけた脚をまた上げるようなモーションは違反とされた。

 菊池は2017年8月のソフトバンク戦で、初回に不正投球の判定をくだされ、シーズン途中でのフォーム変更を迫られた。

 それから間もなくのルール運用の見直し。選手も翻弄された形だが、ルール担当者や審判団にもやむにやまれぬ事情があったものと思われる。国際試合ではこのあたりの取り締まりが相当緩くなっていること、フォームによって幻惑されるといった打者への「実害」があるかどうかはっきりしないこと、どのような動作が違反に当たるのか相当微妙な判断になり、審判団に過度の負担を強いかねないこと、などが判断の背景にあったものと推察される。

 野球規則の精神は「トリッキーな動作で、打者の目をごまかすのはフェアでない」というものだろう。

 事実上、黙認されてきた2段モーションについて、打者の側から公然とした抗議があったわけでもない。投手の言い分としても、2段モーションは「タメ」をつくるなど、あくまで理想のフォームを求めた結果であって、打者の目を欺こうという気持ちはこれっぽっちもないない、というのがほとんどだ。

 ルール運用の変更はこうした現実を踏まえたものといえるだろう。

 菊池は昨季の試練を乗り越え「2段」でなくてもすごい投手であることを証明していた。せっかくだから、そのまま、滑らかなフォームで投げ続けてほしかった気もするが、これはもちろん、そうした趣味で論じてはいけない問題。

自由度広がり、責任も重く

 2段モーションが「OK」となったことで、今後、投手は違反に取られるかどうか、びくびくしながら投げずに済むことになる。

 広島の7年目の左腕、戸田隆矢は入団初年度の2軍戦で不正投球とされたことが、忘れられないという。4月の初登板のときのことだったそうだ。

 今回のルールの運用変更について「自分のリズムで投げられる」と喜ぶ。ルーキーとして初っぱなに違反とされることのショックはどれほどだったか。

 こうした不幸がなくなることを考えても、現実路線は好ましい。しかし、だからといって、なんでもあり、となったわけではない。

 ルール違反ではないかもしれないが、打者がふっと幻惑されそうなフォームが出てこないとも限らない。そこはもう個々の自覚に任せる、というわけで、フォームの自由度が広がった分だけ、投手が負う責任は重くなったといえる。

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