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投手・大谷、メジャーで問われる適応力
スポーツライター 丹羽政善

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2018/3/5 6:30
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腕を後ろに組み、中継を行ったNHK、日本メディア、米メディアの順で取材に応じた米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平。少なからず同じことを聞かれるはずだが、丁寧に答えていく。

普段の振る舞いも含めて、23歳が随分大人びて見える。

その1時間半ほど前、大谷は小鳥のさえずりが聞こえるほど静かな球場のマウンドに立っていた。

求められる場面できっちり結果

2日の練習試合で大谷はきっちり結果を出した=共同

2日の練習試合で大谷はきっちり結果を出した=共同

3月2日。午前10時から行われたブルワーズとの練習試合(通称Bゲーム)に先発すると、2回2/3を投げて2失点。4安打されたが、きっちり捉えられたのは1本のみ。8個のアウトすべてを三振で奪ってみせた。2月24日のオープン戦初戦では制球を乱したことで球数が増え、予定の2回を投げきれなかった。Bゲームでの登板は再調整あるいは、軌道修正を意味したが、大谷はそこできっちり結果を出したのだ。

もちろん、相手はすべてマイナーリーガー。大谷も「きょうはたまたまストライクを取ってもらったり、空振りを取ったりしましたけれど、相手が変わってどうなるかわからない」と慎重だった。だが、前回はまるで使いものにならなかったスライダーが、本来のキレを取り戻すなど圧巻だった。

適応力――。改めて1戦目と2戦目を振り返ると、大谷のピッチングはその短い言葉に集約される。

まずは米アリゾナの乾燥した気候に対する適応力。アリゾナでドアノブを触るたびに静電気がバチっとくるのは、体質だけでは説明できない。手で髪の毛を触るだけでも、下敷きで頭をこすったようになる。

その乾燥した空気はこれまで、多くの日本人投手を苦しめてきた。

2012年にマリナーズに移籍した岩隈は「右腕の前腕部が張る」と話した。滑らないよう、無意識にボール強く握っているためにそういう症状が出たようだ。今、ダイヤモンドバックスに移籍した平野佳寿、パドレスと契約した牧田和久もボールが滑ると話しているが、遅かれ早かれ右腕に違和感を覚えるのではないか。

利き腕の張りに関しては野手でさえ感じ、長年フロリダでキャンプを行っていた田口壮・オリックス2軍監督がカブスに移籍して初めてアリゾナに来たときも、そんな話をしていた。

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