2018年6月21日(木)

同じ住所に250世帯… 岐阜市、70年経て2019年に解消
「誤配ある」「客に案内困難」の声受け

2018/3/3 9:19
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 全く同じ住所に約250世帯が暮らす地区がある。「岐阜市鷺山1769の2」。市が戦後に復興市営住宅を建てた際、入居を優先し住所の整備を後回しにしたためだ。市は、郵便の誤配が起きるなどとして、来年から1軒ごとに新住所を割り振ると決め、約70年を経て解消する見通しだ。ただ、住民は独自の工夫で混乱を最小限に抑えており「今更変えても」との声もある。

 同地区は、岐阜駅から北に約4キロ離れた約3万9千平方メートルの市有地。近くには、戦国武将の斎藤道三が晩年を過ごしたとされる鷺山城跡もある。市が戦後の住宅難解消のため市営住宅を建てたのは1950年。入居を急ぎ、地番や住所を整備しなかったため、現在も約250世帯が同じ住所を使っている。

 「誤配がある」「家に招く客への案内が困難」との要望が一部住民からあり、市は15年ほど前から対策を検討。土地の登記は「1769の2」のまま、同一住所の約250世帯と周辺を含めた計約380世帯に「鷺山南〇の〇」の新住所を割り当て、来年2月に移行すると決めた。

 「混乱や不便を解消できる」と説明する市に対し、手続きが面倒だとして「不便はなく今更変更しても」という住民も少なくない。

 その理由は通称名の存在だ。同地区では、玉川町や白鷺町など独自の町名が6つあり、住民に親しまれてきた。免許証など公的書類には使えないが、表札の住所や郵送先として「鷺山玉川町1769の2」などと記し、混乱を避けてきた。

 碁盤の目状の道路で数軒ごとに区切られる単純な町並みも不便さの解消に役立っている。慣れていない配達員と分かると「通りから1つ目の道路を入って、美容院の3軒先」などと伝えるという。長年暮らす60代女性は誤配について「年賀状をアルバイトが配るときくらい」と話す。

 高齢化が進む同地区。昼間でも人通りがまばらで、空き家や空き地が目立つ。住民からは「次の世代のためと市は言うが、10年後どうなっているか」との声も出ている。

〔共同〕

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