2018年8月19日(日)

仮想通貨の採掘で本当に利益出るか 厳密に計算すると
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コラム(テクノロジー)
フィンテック
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2018/3/3 6:30
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 仮想通貨「イーサリアム」のマイニング(採掘)は実際にはどれほど利益を得られるのか。この問いにきちんと答えるために、一から始めてみたい。仮想のマイニングリグ(採掘用パソコン)を構築し、妥当な数値を入力し、イーサリアムの採掘でどれほど稼げるかについて現実的な分析を提供しよう。

(C)Vitaliy Karimov/Shutterstock

(C)Vitaliy Karimov/Shutterstock

 イーサリアムの価格は固定する。イーサリアムの上昇で得られる利益を除けば、実際のリターンをハード機器や電気代など採掘用パソコンの運営関連費だけに関連付けられるからだ。

採掘用パソコンの諸条件は下記の表の通りで、2018年1月の数値を使用した(妥当性のある中くらいの数値を使うよう努めた)。

■仮想採掘コストの諸条件

 今回の採掘用パソコンは、現在流通している最も優れた採掘機器の一部よりも効率的で利益を得やすい。画像処理半導体(GPU)4個を使っており、ハッシュレート(計算速度)は1個あたり40MH/s(メガハッシュ毎秒=メガは100万)だ。ハードの仕様はGPU4個、CPU(中央演算処理装置)1個、マザーボード1基で、消費電力は1000W(ワット)。このパソコンの費用を約3000ドルとする。

 電気代は1kWh(キロワット時)あたり10セント程度が妥当だろう。これは米国の小売電気料金の平均単価を下回る。消費電力が1000ワットの場合、採掘用パソコンの運営には1時間あたり10セントはかかるため、1日あたりの電気代は2.40ドルになる。ブロック報酬と採掘難易度も18年1月の数値を基準とする。さらに、パソコン1台での採掘が成り立つのは、グループで採掘する「マイニングプール」に参加する場合だけだと判断。利益の最大10%を徴収するマイニングプールもあるが、最も良心的なところは1%しかとらないため、手数料は控えめに見積もって1.5%にする。

 イーサリアムに関する情報サイト「イーサスキャン」の過去の採掘難易度を示したグラフからいくつかのデータ点を抜き出し、指数回帰分析を実行した。その結果、イーサリアムの採掘の難易度が次第に上がっていることを示す指数関数的な係数が得られた。

■ブロック難易度の成長関数

 これに基づいて以下の値を計算し、将来の採掘難易度を予測グラフで示した。

■イーサリアムのエコシステムの諸条件

 ブロック難易度の伸びに基づき、難易度係数は1年間で「2,280,210,891,539,710」から「11,880,071,363,893,300」に上がると算出した。難易度関数の一致を使い、これが将来の値にも適合すると仮定することで、採掘難易度の増大係数を算出した。

 ブロック難易度はイーサリアムの採掘用パソコンの利益と反比例の関係にある。つまり、日を追うごとに難易度は上がり、パソコンの利益は下がる。

 採掘用パソコンの利益はやがて、運営に必要な電気代を賄えなくなる。運営を続ければ赤字がかさむため、この時点で採掘をやめなくてはならないだろう。

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