2019年4月25日(木)

日本屋根ドローン協会が設立、屋根点検の課題を解決へ

2018/3/2 18:00
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日経クロステック

国内の屋根産業に関わる企業やドローン技術に関する事業者や有識者などが集まり、2018年3月1日、一般社団法人「日本屋根ドローン協会」を設立した。建物の屋根の点検におけるドローンの正しい活用方法を普及・促進し、屋根の安全な点検方法の確立、人手不足への対応、業務効率向上など屋根業界の課題をドローン技術で解決することを目指す。

日本屋根ドローン協会の面々(撮影:大類賢一)

日本屋根ドローン協会の面々(撮影:大類賢一)

従来、屋根を点検するには作業者が屋根に上り、歩き回りながら写真を撮影するなどしていた。このため、建物一棟当たり、2時間程度かかっていたという。足場のない状態での高所作業は危険が伴い、屋根やハシゴなどからの墜落、転落事故のリスクも高い。厚生労働省によると、16年度は年間846件の事故が発生し、そのうち40件が死亡事故とされている。

屋根の点検にドローンを活用すれば、屋根に上ることなく、屋根の状態を撮影できる。ドローンで点検し、雨漏りや腐食が起こっているなどの問題を発見できれば、修理が必要なときだけ作業者が屋根に上ればよいことになる。高所作業に伴う危険性は、大きく軽減できるという。

同日に都内で開かれた設立記者会見では、協会に加盟するCLUEが開発したドローン操作用のアプリ「DroneRoofer」を紹介。ボタンを押すだけで自動的にドローンが高さ30メートルまで上昇し、屋根を撮影した後に元の場所に降りてくる様子が紹介された。同アプリを使うと、一件当たりわずか10分程度で点検作業を終えられる。

ドローンと、自動操縦アプリをインストールしたiPad。非常時にはコントローラを用いても操縦できる(撮影:大類賢一)

ドローンと、自動操縦アプリをインストールしたiPad。非常時にはコントローラを用いても操縦できる(撮影:大類賢一)

日本屋根ドローン協会は今後、ドローンに関する技術知識の習得と人材を育成するためのセミナー、産学連携による技術交流、ドローンの適切な利用を認定する資格制度の確立などに取り組むとしている。

同協会代表理事の石川弘樹氏は「建設業界では1997年をピークに28.18%も労働人口が減少している。危険な高所作業を減らすことで、屋根業界における人手不足や高齢化の問題の解決にドローンが寄与できる」と、ドローン活用の意義を説明。

続けて、「施主にとって一軒家のトラブルは大きな問題のはずだが、屋根に関して相談が来るのは、雨漏りなど具体的な問題が生じてから。ドローンを使えば、手軽に頻繁にチェックできる。俯瞰(ふかん)的に撮影して必要に応じてズームできるドローンの写真は、施主にとっても屋根の状況を理解しやすい」と、ドローン活用のメリットを強調した。

一方、同協会理事の夏目和樹氏は「ドローンを活用するには、事故対策や操縦技術の習得、飛行許可の取得など、多くのハードルがある。それらのハードルを越え、ドローンが安全・便利に利用できる社会を目指して、日本屋根ドローン協会は取り組んでいく」と方向性を示した。

(タンクフル 大類賢一)

[日経 xTECH 2018年3月1日掲載]

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