2019年4月25日(木)

米、鉄鋼・アルミ輸入制限へ 中国を標的、来週に決定

2018/3/2 10:12
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。鉄鋼に25%、アルミに10%の高い関税を課す。詳細は来週決定する。中国が主な標的とみられるが、日本も対象に含まれる可能性がある。中国や欧州などが報復措置に動き、世界的な貿易戦争に発展する恐れがある。

今回の措置は安保を理由にした輸入制限の実施を認める通商拡大法232条に基づく。輸入制限の発動はリビア産の原油輸入を禁じた1982年以来36年ぶりとなり、極めて異例の措置となる。

トランプ氏はホワイトハウスで1日開いた鉄鋼・アルミ業界経営者との会合で「鉄鋼・アルミ産業は再び成長する」と述べ、輸入制限を発動すると表明した。発動期間は「無期限だ」と語った。来週に輸入制限の発動を命じる文書に正式に署名するという。関税の対象から外れる輸入相手国があれば、その際に発表するとみられる。

米商務省は2月、鉄鋼とアルミの輸入増で国内産業が弱り、防衛装備品の調達など安保上の脅威になっていると認めた調査報告書を公表した。対策として、それぞれ3つの輸入制限案をトランプ氏に勧告。実際にどのような輸入制限を発動するかは同氏の最終判断に委ねられていた。

商務省の提案には、すべての国からの鉄鋼輸入に最低24%、アルミに最低7.7%の関税をかける案があった。トランプ氏の判断は提案を上回る水準となる。米国の鉄鋼輸入はカナダやブラジル、韓国が多いが、日本も全体の5%を占める。

トランプ氏が強硬策を打ち出す背景には、2018年秋の中間選挙を見据えて保護主義的な貿易政策を打ち出し、雇用創出を支持者にアピールする狙いがある。1月にも太陽光パネルと洗濯機でセーフガード(緊急輸入制限)を発動するなど強硬姿勢に傾いている。

関係国の反発は必至で、通商摩擦が激しくなるのは避けられない。世界貿易機関(WTO)協定は一方的な輸入制限を禁じるが、安全保障が理由であれば「例外扱い」できる。ただ安易な乱用につながるため各国は適用を控えてきた。ロス米商務長官は「WTOでも認められた措置だ」と指摘しつつも「他国から提訴されても驚かない」と強気の構えを示している。

トランプ政権は鉄鋼では中国の過剰生産を問題視してきた。これまで中国品には反ダンピング(不当廉売)関税を課しており、米国の輸入品に占めるシェアは2%にとどまる。反ダンピング関税は特定の国からの限られた製品に課すため、第三国を迂回した輸入には効果が限られるとして、幅広い国からの輸入制限を探ってきた。

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