労働分配率なお低空飛行、43.9% 企業に賃上げ余力も

2018/3/1 16:00
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企業の利益のうち労働者の取り分を示す「労働分配率」がなかなか上がらない。財務省が1日発表した10~12月期の法人企業統計調査によると、資本金10億円以上の大企業の分配率は43.9%だった。人手不足を背景に人件費は増えているものの、業績の改善ぶりに比べると分配のペースは緩やかなまま。賃上げの余力はなお残っている。

労働分配率は、付加価値額に対する賃金などの割合で表す。付加価値額は人件費や経常利益、減価償却費、支払利息等を合計した。季節性をならすために過去4四半期の平均をとった。

大企業の労働分配率は7~9月期の43.8%から0.1ポイント上昇どまりでほぼ横ばいだった。高度経済成長期だった1971年以来、約46年ぶりの低水準である43%台から抜け出していない。資本金10億円未満の中堅・中小企業は70.1%と前期から0.5ポイント改善した。

人手不足を背景に、企業が払う人件費は増えている。賃上げを含めた処遇改善がなければ人材流出にもつながるためだ。大企業は10~12月に人件費を前年同期から8.5%増やした。非製造業が14.5%増と伸びが大きい。中堅・中小企業は1.8%増で、14年7~9月以来プラスが続く。

ただ、企業収益の改善ぶりと比べると、賃上げのペースには物足りなさが残る。10~12月期の経常利益は全規模で6四半期連続のプラス。統計を比較できる1954年以降、四半期ベースで17年4~6月期に次ぐ過去2番目の水準となっている。内部留保も12月末で400兆円を超え過去最高の水準にある。

企業が恒常的な負担増につながる賃上げに対して、なお慎重な姿勢を崩していない状況を映す。3月14日に集中回答日を迎える今春の労使交渉が焦点になりそうだ。

10~12月期の設備投資は前年同期比4.3%増となり、5四半期連続でプラスとなった。同結果は8日に発表がある10~12月の国内総生産(GDP)改定値の設備投資に反映される。速報値では実質で前期比0.7%増だった。

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