2019年8月25日(日)

リベロの視点

フォローする

五輪で感じた 日本のスポーツ選手の特別感
スポーツコメンテーター フローラン・ダバディ

(1/2ページ)
2018/3/4 6:30
保存
共有
印刷
その他

日本勢が躍動した平昌五輪が終わった。絵に描いたようにかわいらしく、的確な判断とプレーで日本初の銅メダルに輝いたカーリング女子の代表チーム。世界的なスターでありながらシャイで控えめなフィギュアスケート男子の羽生結弦。金メダルを取っても浮かれることなく、謙虚なインタビューが印象的だったスピードスケートの女子選手たち……。日本のアスリートを見ていて、この国はつくづく特別だと感じた。

小平奈緒(右)らスピードスケートの女子選手たちの謙虚なインタビューは印象的だった=上間孝司撮影

小平奈緒(右)らスピードスケートの女子選手たちの謙虚なインタビューは印象的だった=上間孝司撮影

世界のスポーツ界ではイカれた事態が頻繁に起きている。たとえば女子テニスのスローン・スティーブンス(米国)だ。2017年の全米オープンテニスで優勝した彼女が半裸になった動画が、米国の歴史あるスポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」のサイトで公開された。スティーブンスは確かに美しい。でもそういう問題じゃない。

女子テニスは苦労して視聴率を取ろうとしている。けれどもこんな「ピンク動画」の視聴者が、次はスティーブンスの試合を見にいこうなどと思うだろうか。本人はこの雑誌の威信が撮影に応じた理由だと言っているが、なぜそんな考えが彼女の脳裏をよぎったのか、理解できない。スティーブンスは僕も好きな選手だ。年端もいかないうちから、プロを目指して多大な努力を積み重ねてきた。セクシーに見せようとするのは悪いことではないが、もう少し上品なやり方があっただろう。

けれども、こんなことをしているのはスティーブンスだけではない。驚くなかれ、フランスではラグビーの元チャンピオンチームの選手たちが裸になったカレンダーが出回っている。しかもそれが女性に大ウケで、パリジェンヌが飛びついているのだから悩ましい。彼らが強さや筋肉を見せる場はグラウンドだろう。

深刻なドーピング問題

ラグビーのフランス代表チームもやらかしている。2月の欧州6カ国対抗のスコットランド戦で敗れた後、エディンバラの街中で警察に捕まった。地元の一般人とけんか騒ぎを起こした彼らからは、異常な値の薬物が検出されたという。泥酔してはいたが服をちゃんと着ていた。その点ではカレンダーよりマシなのだが、ラグビー界をむしばむドーピングは深刻な問題だ。仮にステロイドが切れて選手が正気をなくしていたのだとしても、僕は驚かない。

ドーピングといえば、平昌五輪のカーリング混合ダブルスに出ていたロシアのアレクサンドル・クルシェニツキーが失格になった。国家ぐるみのドーピング違反が制裁を受けた今大会で、なおインチキをしようという神経にはあきれるしかない。クルシェニツキーが引っかかったメルドニウムは女子テニスのマリア・シャラポワ(ロシア)が長期出場停止に追い込まれたのと同じ薬物で、スタミナを向上させる機能がある。僕にはカーリングはマラソンやサッカー、テニスよりもダーツやペタンク(円の中から鉄の玉を投げ、外に置いた目標球に近づける競技)に近いようにみえていた。そこまでのリスクを冒してスタミナを求める必要がなぜあるのかと不思議だったが、詳しい人に聞くと、かなり体力を使うらしい。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップスポーツトップ

リベロの視点 一覧

フォローする
全仏テニスの大坂は高鳴る心臓の鼓動が聞こえてきそうなほど緊張していた=共同共同

 今年もテレビ中継のキャスターとして全仏オープンテニスに行ってきた。様々なドラマが生まれた15日間を振り返ってみたい。
 四大大会3連勝を狙いながら3回戦敗退に終わった大坂なおみは自分を見失っていた。足 …続き (6/16)

大坂は創造力豊かな現代っ子でもある=共同共同

 テニスの全豪オープンで四大大会連覇を果たした大坂なおみ(日清食品)はコートの内外を問わず、意表を突くのが大好きだ。眠たげなワニといっては言いすぎだが、目を細めて周囲の様子をうかがっている彼女は抜け目 …続き (2/3)

強力なサービスが大坂の武器の一つ=ロイターロイター

 女子テニスの大坂なおみを初めて知ったときのことは忘れられない。4年前の朝、ふと読んだ日本のスポーツ紙で「大坂」という16歳の日本人女子選手が時速190キロのサービスでトップ選手のサマンサ・ストーサー …続き (2018/10/7)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。